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JAPAN1990年2月号、山崎インタビュー。浮世が前年に出され90年9月に生活が出る。その間のインタビュー、つまり宮本引籠り期か。渋谷氏だけでなく山崎氏にも浮世を一番好きじゃないと言われた宮本。自信はあっても売れぬ音源。その時の宮本にあったのは自分と社会が噛み合わないやるせなさ。時はバブル期。世間は浮かれた人々で溢れた。しかし宮本は日本を憂い社会を憂いていた。そしてその思いが届かない事にイラついていた。

山崎氏が浮世では何故いつも1人なんだ?と問うと宮本は恋愛をした事がないと言う。そして自らをナルシストだと言った。それは自分が好きと言うよりも自分の思想を信じていると私は理解した。そしてこのナルシストは個人的な恋愛を歌うよりも日本を人を憂いていた。宮本にとっては好きだ嫌いだと移ろいゆく人の心に翻弄される恋愛なんて次元の低い話なのだ。私は23才のこの宮本の考えを大いに支持する。この時期に恋愛など歌わなくていいのだ。世間に向かって吠えまくってきた男がこの後に及んで自信を揺付かせながらも日本を憂う。当時こんな23才のロッカーがいたか?確かに人を好きになる事は素晴らしい。でも無理にする物でもない。この年齢故に純粋な感性で日本を憂う宮本は正しい。ポップが何だ?売れ線が何だ?この時の宮本の戦いはこれでいい。

生活は宮本の孤独の極地だ。だが宮本のエレカシの起死回生は此処からだったじゃないか。

因みに俺達の明日で「10代 憎しみと愛入り交じった目で世間を罵り20代 悲しみを知って 目を背けたくって 町を彷徨い歩き」宮本の10代、20代はこの歌詞の通りで。悲しみの時期はまだ続く。