かつて、アルメニアで重い片頭痛に苦しむ青年ヴィケンに出会いました。
頭痛のために失神するほどの症状で、
命に係わる病気の可能性もあり、
病気の検査、治療のために日本に招待することにしました。
帰国後、彼のための寄付を募り、
人々の善意で旅費を用意することができました。
ところがヴィケンはシリア国籍だったため、
テロリストかもしれないとみなされ、
日本へのビザを下ろすことはできないという連絡が来ました。
当時、アルメニアには日本大使館がなかったため、
私はヨーロッパの日本大使館の担当者に直談判しました。
「彼の先祖がシリア難民でアルメニアに移住しましたが、
敬虔なキリスト教徒でテロリストではありません。
命に係ることです。
病気治療という人道的な見地から、どうかビザを発給してほしい」と頼みました。
法に照らせばビザの発給は難しいでしょう。
もし何かあれば担当の責任が問われます。
しかし大使館の担当者は深く考え、
その後ビザ発給の許可をくださったのです。
彼が来日した日、成田空港周辺に
ピンポン玉大のヒョウが降ったことは忘れられません。
多くの人々の善意で来日したヴィケンは、検査を受け
適切な治療を受けることができました。
*アルメニアの首都エレヴァンでファンの女性たちと
先日、名古屋出入国在留管理局に収容されていた
スリランカ人女性、ウイシュマ・サンダマリさん(33歳)が命を落としました。
適切な医療を受けていなかったという証言があります。
大好きな日本で、夢破れて亡くなったウイシュマさんに胸が痛みます。
日本の難民受け入れ、入管法には、多くの問題があると言われますが、
平和な日本で、一人の女性の命を守れない現状をどう考えますか?、
彼女がもし自分の家族であったらどうしますか。
戦時下のリトアニアで杉原千畝さんが人命優先で下した
勇気ある判断、行動で多くの命が救われたように、
SDGsは、一人の生命を大切にすることが原点だと思います。
人道的な選択は私たちが人としてするべき大切な判断です。
菊池峰子著書
