京都・南丹市の死体遺棄事件で11歳の安達結希さんが遺体で見つかり、翌日義父が逮捕された。その後殺人罪として再逮捕される。
数々の謎が未だに残っているが、謎がわかるたびに、何とも虚しい気分になる。最悪な結果となった事件を憂鬱と感じてしまう原因の一つに、子連れ再婚で幸せになっているカップルやこれから子連れ再婚をしようとしているシングルマザーに、躊躇や戸惑いというネガティブな感情をもたらしているのではないかという懸念だ。
夫の浮気が原因でシングルマザーに
子連れ再婚で幸せを掴んでいる夫婦もたくさんいる。お互いに子連れのカップルはもちろん、夫が初婚で、妻が子連れ再婚のケースもある。
私が知っているあるシングルマザーの女性は30代半ばで、二人の子供を育てながら必死に生きていた。そのうち、次男が知的障害者で、まだ幼い長男がまるで父親のように次男を守っていたそうだ。
シングルマザー、ユイさん(仮名)が離婚をしたのは、35歳のとき。原因は夫の不倫だった。
「元夫は華やかな業界のカメラマンでしたが、業界が低空飛行になったために仕事が激減し、介護業界に転職したんです。夜勤が多いため、なんとなく年下の同僚女子と浮気をするようになっていって…。私が子育てに必死だった頃、夫が浮気をしていたことにショックを受けました」
ユイさんは学生時代のエキストラのバイトで夫と知り合った。当時彼は映画のスチール撮影に臨んでいたという
ユイさんが卒業してウェブ制作の仕事に就き、再会がきっかけで交際して結婚したという。
「元夫がカメラマンだった頃は、優しかったんです。でも仕事が激減してから人が変わったようになりました。プライドを捨てきれなかったんでしょう。私は二人の子供を次々と出産し、次男が詩的障害者だったので、子育てに忙しかった。仕事と子育ての両立が難しくなったので、彼の収入に頼る生活になったんです。そのことも彼にとって、大きな負担だったみたいで」
家族を養うために、元夫はプライドを捨てて、介護業界へ。三人目の子供を流産した頃、夫の浮気が発覚したという。
「流産と夫の浮気発覚とダブルショックでした。子供たちのために、我慢して結婚生活を続けようと思ったんです。でも元夫は子育てに忙しい私に甘えることができなくて、けっきょく職場の同僚女性の家に転がり込んでしまった。離婚して実家に戻りました」
障害を持つ次男を世話する小さな長男、実家の母親から言われた「ある一言」
実家の母親に子育ての協力を求めたユイさん。Web制作の仕事に復帰するつもりで就職活動を開始すると、母親から鶴の一言が発せられる。
「再婚しなさい」
ユイさんはあっけにとられた。二人の子供がいて、しかも次男は知的障害を持っている。そんな自分と一緒に暮らしてくれる男性がこの世にいるとは、どうしても思えなかったという。
「子供たちが再婚に賛成するかどうか、わからない」、「再婚のイメージが湧かない、自信がない」、「再婚よりまず仕事」と様々な理由で、母親のススメを断ってきた。
「でも子育てに協力してくれる母親に逆らえなくなってしまって、母親の知り合いの仲人に逢ってみると。私にぴったりの人がいるというんです」
仲人女性が所属している中規模の結婚相談所は、フレンドリーで手厚いサービスを提供してくれるという。ユイさんは母親の知り合いの仲人の温かな人柄に惹かれて「あなたにぴったり合う」という男性に、会ってみることにした。
「その男性は私より3歳年上の映像制作会社勤務の方。写真では穏やかな印象です。でも38歳で初婚というのは、何かあるのではと勘ぐってしまいました。元夫の影響でプチ男性不信になっていたかもしれません」
ユイさんは偏見を持たないように、なるべくフラットな気持ちで見合いに臨もうと待ち合わせのカフェに出向いたところーーー
人生初のお見合いで意気投合、相性はぴったり。だが不安も…
「初対面で意気投合しました。結婚前にマスコミで働いていたので、共通の話題が多く、とても楽しかったです」
心配していた偏見も払しょくできたという。
「38歳で独身の理由も正直に語ってくれました。27歳から3年間2つ下の女性と同棲していたそうですが、破局してから結婚に向かないと思い込んでしまったそうです」。そのためさらに仕事にのめりこんでいったという。
さらに同棲解消の理由も彼は正直に語ってくれた。
「彼は部屋のドアの開閉にも神経質で、結婚に向かないと思ったそうです。結婚を前提に暮らしていた女性と別れると、『一生独身』の4文字が友達の結婚式に出席するたびに、チラついていたそうです」。
彼が結婚に前向きになったのは、ある地方で大地震が起こったこと。番組制作のために取材に臨むと、命のはかなさと人の運命はわからないという無常観にとらわれたという。正月に実家でそのことを話すと、母親から見合いを勧められたのだという。
「私が二人の子供のシングルマザーというのは、彼にとってマイナスではなかったですね。彼は私がいつもにこにこしておおらかだから、神経質な自分でも一緒に暮らせると思ったそうです」
また懸念していた次男の障害の件も、「超えられると思う」と告げられたという。
「彼はかつて障害者施設を取りあげた番組の制作にも関わっていました。そのため家族の気持ちも理解できると言ってくれたんです」
互いに初めてのお見合いで、将来の伴侶を決めた二人。見合いで婚活するのはかなりの苦労が伴うというが、ユイさんの場合は、まさに運命が動いたという気がする。
再婚の幸せは子供たちを中心に。子供が独立してから夫婦水入らず
再婚は、ユイさんの子供たちの生活を中心に回っていった。長男が次男の世話をするという役割が、再婚夫も担うようになった。そのため自然に家族という“チームワーク”が生じたようだ。
再婚から3年後に、家族が増えた。男子誕生でユイさんは三人の子供の母親に。夫や実家の母のサポートもあって、web制作に復帰し、嘱託社員として働いている。次男のことで家族が結束したことも踏まえ、障害者家族のコミュニティー発信の業務も手伝っている。
そして再婚から7年目に4人目の子供が誕生。女の子だった。
「天使のように可愛い」とみんなから出産を祝福されたユイさん。末っ子の女の子は、家族全員の宝物として、大切に育てられているという。
「再婚の夫は、パートナーです。子育てはもちろん、仕事や将来のことを語り合える。
子供達が独立して、余裕ができたら、夫婦でロングスパンの旅行を楽しもうね、と約束しています」
子連れ再婚で幸せになった女性の結婚観
最初の見合いで意気投合して、子連れ再婚。そしてまた家族が増えていく。
幸せを絵にかいたようなユイさんの幸せですが、再婚前はかなり苦労があったそうです。
母親は強いと言いますが、それでも一人の人間です。くじけそうになったことが何度もあったそうです。そのたびに長男に励まされていたそうです。小学生の長男のけなげさに心打たれたユイさんは、気持ちを奮い立たせます。
シングルマザーは父親の役割も兼用しているので、逞しくなければ生きていけませんね。
さてユイさんが再婚で幸せになったのは、再婚相手の“家族になる”という心構えが既にできていたことです。知的障害者の次男の父親になる、次男を支えていた長男から重圧をのぞき、自分の息子として育てていくという、血のつながらない子供たちを受け入れていくことが、家族のとって必要なことだとわかっていたからです。その意味では、大人の男性と言えるでしょう。
ややもすると、相手からの愛情を独占したいという願望が勝ってしまうこともあります。そうなると、子連れ再婚は、子供にとって決して幸せとは言えないものになる可能性もあるのです。
ユイさんとその再婚夫は、再婚に当たって、相手に対する独占愛より、子供を含めた家族に対する情を選びました。まさに家族がチームであることを、二人とも熟知していたからですね!
子供達が独立してから、夫婦の楽しみが増える。そんな希望を抱けるのも、幸せな結婚といえます。2人の努力の賜物ですね。結婚生活は一人で成し遂げられないですから。


