「自分を大切にすると、幸せになれる」
わかっているようで、なかなか実行できないこともあります。
でも仕事が順調で収入も増え、パートナーや恋人、家族や友人など人間関係がうまくいっている人のほとんどが「自分をいたわってあげている」人が多いのです。
最近は「ととのう」など言い得て妙な表現があります。自分を整えるということは、自分の内面に深くフォーカスしていること。つまり自分本来の姿を見失わないという気持ちの表れです。
自分で自分を理解してあげるというあたり前のことが、多忙な日々を過ごしたり、自分より他の人を優先していくと、見えにくくなっていきます。そのため「自分を大切にする」という生きる上でとても大切なことがストンと抜けてしまうのです。
「愛しているから我慢する」。それが幸せを遠ざける理由
2万人以上の働く女性の恋愛、婚活、結婚、夫婦の機微を取材してきました。
「愛しているから」という理由で無理したり、我慢が長引くと、やがてその人の波動が乱れていき、運気も下がり、チャンスが到来しても気づかずに過ごしてしまいがちです。つまり幸せになる機会を自分から逃していることが多いのです。
体力や気力が失せてしまうと、危機意識が麻痺してしまい、自分で自分を守るという自己防衛本能の働きが鈍くなります。するとどうなると思いますか。
自分で「ととのう」ことすらできなくなっていく状態は、気力も体力も消耗しきっていき、それは魂そのものの尊厳を壊していくことになるのです。
魂の尊厳が失われていくと、「人間やめますか」というかなり危険な状態になります。ほんの少しだけ残っている自己防衛本能によって、かろうじて自分を取り戻して危機を乗り越えたとしても、魂が傷ついてしまったことから起こる後遺症が生じてしまっているのです。
ある女性は、身を削るような夫婦生活が長引くことによって魂が傷つき、十分なケアができなかったことから後遺症に気づかずにいたのです。
「自分を大切にする」ことの重要性は、長い人生を生きていく上でとても重要なことです。
もしあなたが「愛しているから」という理由で、長いあいだ我慢をしているのなら、すぐ「自分を大切にする」という生きる上での原点に戻ってみてください。
本物の愛は、無理せず、我慢もなく、静かで温かい気持ちで落ち着いた時間を過ごせるものなのです。
それに気づけなかった女性の結婚生活を紹介しますね。
クオリティー高い仕事を目指していた女性に訪れたもの
現在2人の娘と再婚した夫と暮らしているミカさん。50歳を過ぎて、ある変化が訪れたそうです。
デザイナーだったミカさんは20代で独立して工房のオーナーに。クライアントから発注される仕事に対して、常にクオリティーを高く保つために睡眠時間を削っていました。無我夢中で仕事をこなしていたのです。
一つでも仕事を落としてはならない。その気持ちは、フリーランスの私もよくわかります。あの時、もっと頑張っていれば、レギュラーの仕事をもらえたのにという後悔は山ほどあるからです。自分のテーマが見つかるまで、精神的に不安定になりやすく、そのため早くから目標を持っている人ほど、自分が望む達成感を早めにもつことができますね。
また女性がキャリアアップをして行く過程では、必ず無理が生じていきます。でも集中してこなしていく時期はかえがたいもの。評価され、実績を作ることによってさらに上昇していくと、これまでと違う景色が見えたりします。
でも頑張っても終わりがないという壁を感じるとやがて焦りが生じます。そんなときは、指針変更。つまり方向転換したり、ちょっと休んでみると、これまで見えなかったものがはっきりわかっていきます。するとベクトルが別次元に動いていくのです。
「ととのう」ために留学した女性のその後
10年以上前のことですが、マイクロソフト社に勤務していたある女性は、メール対応に追われて寝る時間もなく働いているうちに「眠れなくなった」そうです。寝不足が生じると翌日の仕事に支障が出てくるため、睡眠導入剤を服用するようになりました。すると依存性が生じてきたそうです。やばいなあと危機感を感じた女性は、キャリアをいったん中止しました。留学制度を活用して、半年間、南半球の都市で学生生活を送ったのです。すると本来の自分を取り戻すことができたのです。帰国してから目標を見つけました。
「数年間後に退職して、語学力を使った仕事をしながら、余裕を持った暮らしをする」。この目標のために必死に働いて退職した彼女は、プライベートでも仕事でも、素晴らしいパートナーと出会うことができたのです。
「ととのう」ことができずに仕事中心の女性が選んだ結婚
一方ミカさんは、方向転換を考えるどころか、必死に仕事をこなしていく日々でした。クライアントの都合で発注が終了すると不安を感じ、周囲から「ミカさんのせいではないよ」と励まされても、自分に自信を持てなくなるのです。
そんな時に出会ったのが、父親と同じ職業のガテン系の男性。意気投合して結婚したものの、夫は結婚と同時に働かなくなったのです。
そのためミカさんは、独身の頃より一層働くようになり、工房に寝泊まりすることも増えて、結婚生活は破綻していました。
寝不足と疲労のため体はボロボロになり、三度流産。医者からは妊娠しても出産は難しいとさえ言われたのです。
四度目の妊娠でやっと子供が授かったのですが、夫は相変わらず働かずに、ヒモを続けていました。子供が授かったミカさんに両親は離婚を勧めますが、「夫がそばにいてくれればそれでいい」と孤独に負けてしまい、ヒモ夫と子供を養うために、さらに働き続けていたのです。
その頃友達ができなかったのも、工房に籠っていたからでしょう。孤独が募ると、夫しか自分を認めてくれないと錯覚する。するとますますヒモ夫が彼女に甘えていくという負の連鎖が繰り返されます。
ミカさんの体はさらにボロボロになりました。胃腸の不調やめまいなどに苦しみ、医者から休養を勧められても、ヒモ夫と子供のために心身に鞭を打って工房に籠っていたのです。
ある日、工房で倒れて救急搬送されたミキさんは、大腸がんではなかったものの、腫瘍を切除する手術をしたのです。
その頃、ヒモ夫が別の女性とラブホで楽しんでいたことを知ったミキさんは、ようやく離婚を決意しました。出産前は孤独が怖い、子供が生まれると「子供のために父親が必要」と自分に言い訳をしてきたミキさんでしたが、子供と二人で生きて行こうと決意したのです。
ところが、運命はヒモ夫に味方しました。夫の母親ががんになり、余命数カ月だというのです。
「離婚は夫のお母さんにとって、ショックなことかもしれないから、離婚を伸ばそう」
ミキさんはそう決めます。でもこれは本当の優しさではないでしょう。自分を大切にすることを優先してすぐに離婚したほうが、ヒモ夫の再生につながったかもしれないのです。
ヒモ夫は母親の病気の治療代もミキさんに払わせます。ミキさんは義理のお母さんが他界するまで我慢をしようとしました。ところが義母は数カ月どころか、5年以上長生きしたのです。
「騙された!」と気づいた時は、貯金の残額がほぼセロになっていました。
「私はあなたも、義母も面倒を見ることがもうできないから」
離婚届と貯金通帳をヒモ夫に差し出すと、子供を連れて、アパートを出て行き、工房も手放しました。家賃を払えなくなったからです。
地方にある実家にたどり着いたミキさんは、子供の世話を母親に頼むと、泥のように眠ったそうです。三日三晩、たまに食事とトイレで起き上がるだけで、ひたすら寝て、そして起き上がったミキさんは、ヒモ夫を養うために働き続けた結果、自分の心身に負担をかけてしまったことを思い知ったのです。
子供のために健康になりたい。ようやく新しい目標を持ったミキさんは、健康食材を扱っている会社に再就職します。そこで健康に関する様々な情報を入手し、やがて母親と子供の健康をテーマに起業したのです。
再婚して穏やかな幸せを手にしたつもりだったけど…
起業から2年後の42歳の時に、10歳年上の男性と再婚。元夫とは正反対の真面目な職人でした。二人目の子供が生まれて、やっと穏やかな生活を手にしたミキさん。
でも元ヒモ夫との生活で傷ついた魂を再生させるのは、容易ではなかったのです。
ヒモ夫を支えていたという過去に対して、自分を責めました。再婚夫との穏やかな幸せに感謝しながら、一方で再婚夫に打ち明けないほど、自分自身を責め続けていたのです。
その結果、どうなったと思いますか。
彼女は、シャンプーで洗顔することをやめて、化粧水やクリームでお手入れをするというスキンケアをしなくなったのです。
つまり洗髪はお湯ですすぐだけ、顔は洗顔の後、放置すること。彼女にとって、過去に対する後悔が、これまでの自分の対する拒否反応となって、大事な髪も顔も、手入れすることを止めたのです。
まるで「汚れた自分の顔や髪の毛に余計なものをつけない」とでも言わんばかりに。
余計なものを一切付着しないのは最上のエコと考える人もいるでしょう。自然回帰という主義主張もありますから。
でもスキンケアをしていた頃に比べて、シミやしわが増え、お湯ですすぐだけの髪の毛はいつもパサついています。過去の結婚生活に対する強烈な後悔が、彼女をそこまで追い込んでいるのかもしれません。
「自分を大切にして生きる」は、孤独と隣りあわせ
孤独に対する恐怖は誰にでもあるものです。
でも「自分を大切にして生きる」ことは、時には孤独と隣りあわせだったりします。
本物の愛に巡り合えるためには、孤独を過ごした時間と、孤独によって培われた豊かさを持ってからのことです。
孤独を恐れないこと。そして「ととのう」で本来の自分を取り戻すと、余裕が生じて、チャンスも増えますよ。
そんな時に巡り合えるのです。きっとね。


