少し前、リハビリの帰りに電車に乗ったら、巨大なスーツケースを足元に外国からの旅行客が大勢座席を独占していました。途中日本人の男性のお年寄りが乗ってきましたが座ることはできず、捕まり棒を両手で掴んだまま不安定そうに立っていました。誰も席を立ちません。

そこかしこの外国からの旅行客、お国では年配者を敬うという教えはなかったのですか。異国を旅するほど元気そうで屈強な体格をしていますが、あのお年寄りを見て何も思いませんか。

でも外国語のできない私は言うことはできませんでした。

そして今日、買い物に出かけようと電車に乗れば超満員。黄色い帽子を被った小学生らしい団体が乗り合わせていました。そして友達同士座席に座り楽しそうにおしゃべりしています。立っている人たちの中にはお年寄りもいます。気にならないのでしょうか。

日本もか！

引率の先生は若い女性でした。今日、教育方針が変わったのでしょうか。社会見学に行くのだと思いますが、その前にお年寄りに席を譲るという基本的なことを教えてあげてほしいです。直接物申そうと思いましたが、こういうことは学校に言おう、いや、教育委員会だと思いをめぐらし、どこの学校か帽子や名札を調べている間にがやがやと降りて行きました。

結局言えなかった。

自分さえ楽ならいい、年配の人、怪我してる人、妊娠してる人、そんな人を見たら条件反射のように席を譲るなんて考えも及ばない、そんな世の中になったのでしょうか。憂えているだけで声を挙げなかった私も、座り続ける人と同じなのかもしれない。

言えない言葉