マシュ「そういえば先輩、財団の代表さんと会ったことあるんですよね?」

シロー「、……ああ。まぁ、な」

マシュ「ど、どんな人だったんですか?」

シロー「……なんてーか……」





シロー「お母さん、って感じだったな。心配の仕方とか……娘いるらしいし」

マシュ「そ、そうなんですか?」

シロー「それと、上手く言えないけど……」





シロー「透明って感じだって、思った」

マシュ「透明……です、か?」

シロー「ああ、空気みたいってか……いや、影が薄いとかそっちの空気って意味じゃなくてさ」





シロー「昔から知ってる人みたくこっちに警戒心を持たせなくて、その人の言葉とかを自然と受け入れてしまうような……

 そんな、不思議な人だったよ」

マシュ「なんだか、悪い人とは思えないですね」

シロー「……ああ。オレも正直、そう思ってる」





シロー「ただ、透明過ぎてってか……正直、話してる事のどこまでが真意なのかわからなかった。

 それに、ネロですら見抜けなかったような悪意を、あの笑顔の裏に隠してたんだとしたら……」





シロー「思う以上に、恐ろしい相手だよ」

マシュ「あ、あぅぅ……」

シロー「……ともあれ、今も目的が分からないのは事実だし、オレらの立場じゃ強硬手段も難しいしな」





シロー「れいとリーファさんが情報を集めてくれてるから、オレ達はこれまで通り、外堀固めと被害拡大を防げるよう動かないとな」

マシュ「れいさんに負けないよう、がんばらなきゃですね!」

シロー「……ああ、そうだな!」