
アキラ「うん。指定された場所とその周囲、それとこちらで怪しいと思った場所は調べたけど……手掛かりになるようなものは見つからなかったよ」
シロー「そう、っすか……」
アキラ「……痕跡は残っていたのに、匂いでもその先は捉えられなくて……悔しいな」

アキラ「力になれず、すまない……」
シロー「い、いやいや謝ることないっすよ! こっちこそ、協力してもらって感謝してます」
アキラ「……そう言ってもらえると、少し救われるかな」

ユカリ「それにしても不自然ね」
フォウ「フォファ~……」
マシュ「、ユカリさん、何がですか?」
ユカリ「ふふ、何がだと思う?」
シロー「~~……そりゃ、頼んだ調査とかのことっすよね」

ユカリ「最初から何もなかった、ならわかるわ。ただ明らかに何か所かは『何か』あった形跡があったわ」
マシュ「え、えぇと……?」
シロー「アキラさんが痕跡はあったって言ってたってことは、ダミーにおびき寄せられたわけじゃなかった……その、割には……」
ユカリ「そう、何も見つかっていない。痕跡はあるのに物的証拠は何も見つからなかったわ」
アキラ「確かに……」

ユカリ「特定箇所に留まらず、頻繁に場所を変えているというのに、その都度の撤収に紙一枚と残していかない。手間も、労力もかかるというのに……」
マシュ「え、えぇと……つまり……?」
シロー「ごくごく少人数かつ小規模……だが、それだと予想されてる

シロー「『痕跡そのもの』……それらの設備そのものが持ち出しやすく……いや、移動できるようになってる、のか? 車両に搭載しておくみたいな……?」
マシュ「え、えぇ……!?」
ユカリ「うふふ、どう考えるかは、貴方たち次第よ」