
ネロ「おお、これは余の! 帝都に置いてきたが、まさか斯様な場で会い見えようとは!」
シロー「っ、てかホントにネロのだったのか!?」

ネロ「うむ! これは余のお気に入りの品の一つである!」
スティールベイン「ネロ・クラウディウスお気に入りの品、やはり……! そ、その使い方、とは……!?」

ネロ「何か硬貨のようなものは持っているか? 持っているなら少々貸してくれ」
シロー「あ、ああ。いいけど」
ネロ「うむ! なければ小石でも代用が効くが、やはりこうでなくては風情がないというものよ!」
スティールベイン「、……これ、は……」

ネロ「この溝に並べた硬貨を上下に動かすことで複雑な計算も容易く行える! 便利な逸品よ!」
スティールベイン「……そろばん、ですか……?」
ネロ「おお! 東方に渡り『スォルーヴァン』という名で呼ばれているとは風の噂に聞いたが、現代においても斯様な名で広まっておるとはな!」
シロー「……スォルー……ぶっ、ふふふ……」

シロー「はははははは! 博物館の、英雄由来の品がそろばんて……ぶふっ、ははははははは!!」
ネロ「む? シローよ、なぜそんなに爆笑しておる?」
シロー「いや、だって現代に甦った英雄がそろばんとコンサートて……ぶっ、はははははは!!」
ネロ「うむ! よくわからんが余も笑うとしよう! はっはっはっはっは!!」

スティールベイン「コンサートに……そろばん……お爺様……歴史、とは……伝承、とは……」