
シロー「ふ~……んー……」
フォウ「フォウ~」
・・・・・・・・・・・・・

イチカ「え? 『コトワリ様』?」
シロー「ああ。ここ最近浦女で流行った都市伝説らしいんだけど、知ってるか?」
イチカ「う~ん……聞いたことない、かな?」

イチカ「ひまりんとあおちゃんは知ってる?」
アオイ「ん~あたしは聞いたことないな。ゆかりさんかアキラさんなら知ってるかもしんないけど、ナンとかサマなんて話してたことないしなー」
ひまり「わたしもです。キラパティのお客さんが話してれば聞いたことあるかもですけど……」
シロー「そう、か……う~ん……」

イチカ「今度シローが来るまでに調べとこっか?」
シロー「いや、たぶんもう大丈夫だと思う。助かるよ」
アオイ「まだなんの役にも立ってねーって」
シロー「ははは、そんなことないって」

シロー「ならなんかお土産買ってくか。今日のお勧めは?」
ひまり「はいっ! 今日はりすプリンとらいおんアイス、スワンシュークリームです!」
シロー「お、イオナが喜びそうだな。もらってくよ」
イチカ「うん! おいしく召し上がれ!」
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シロー(イチカ達が通ってんのは『いちご坂中学校』と『いちご坂高校』。あとキラパティに来るまでに『秀尽学園』でも聞き込みしてきたけど……
『コトワリ様』なんて話は聞かなかった)

シロー(つまり『コトワリ様』自体が、浦女……『浦の星女学院』の内部でのみ流布された噂話……ってことになる。
まぁ、学校の噂話なんてそんなもんかもしれないけど……逆に、特定箇所だけで流布され外部へ漏れ出ない秘匿性のある噂話……ガクセイ特有の面白半分さを加味しても、拡散も信憑性も高い、か……)

シロー(てっきり、ギフトを使って騒ぎを起こす中で、あの赤い剣の実験をしているんだと思ったけど……
そう、ではない……? もっと別の、目的があった? 噂話を流布して……?)

シロー「だとしたら、それって……なんなんだ?」
フォウ「フォウ?」