ガ コ ン ッ



 「ハンガーへの格納ヨシっ! 整備と点検に入れっ!

 「こっちの試験機はどうします?」

 「警備部長からは固定完了次第手を出すなとのことだ」

 「……まあどのみち、スクラップ寸前みたいっすけどねぇ」





リンさん「……マスター」

ムーンノート「へ、何?」

リンさん「いや、なんだ……落ち込んでいるのか? マスター」

ムーンノート「ん~……まぁね」





リンさん「……新型を壊したからか? マスター」

ムーンノート「あれは正直ツインドライブの実験用だったから、あんまり惜しくはないんだけどね。ぶっちゃけ欠陥品だし」

リンさん…………

 ……ま、まぁいいか、マスター」





ムーンノート「……とりあえず、外部に知られないようにしといてね。この件も試験起動中の事故にして、見てた人には緘口令で」

リンさん「内部監査はしなくていいのか? マスター」

ムーンノート「するなら警備部と第2秘書課で極秘裏にってことになるけど……あんまりウチの社員を疑いたくはないんだよねぇ。

 ようやっと、前の事件でピリピリしてたのが収まってきたんだし」





リンさん「警察へ報告をせずに内部でのもみ消しとは……とんだ悪徳企業だな、マスター」

ムーンノート「……毎度、ご迷惑をおかけします。」

リンさん「構わないが、この埋め合わせは社員共々きちんとやってもらうからな、マスター」

ムーンノート「勿論です」