……これが、歴史を歪めることになったとしても……

何かに、大きな影響を与えることになったとしても……






 今も、この先も、何も変えられなかったとしても……



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シロー「ネロは、視野が広いから……全体を、俯瞰して見れているから……

 最初に剣を打ち合わせた時点で、オレじゃアイツに太刀打ちできないと理解して、退がるよう言った」





シロー「それはオレのことが心配だからでも、優しさからでもない……

 それが事実だから、そう言ったんだ」





シロー「……それと同じで、ネロは自分自身も俯瞰して見ている

 自分が特別ななにかではなく、王という機能を持った一つのコマとして……」





 ……もし、この場で死んだとしても……それが国の、国民のためとなるなら構わない。そうとも考えて……





シロー「そういう考えは……形は違うと思うけど、オレもわかるから……そのことを悪く言うつもりはない……」

ネロ「……なれば……何故、そうまでわかっていて、汝は……シローは、余を助けようと言うのか?」

シロー「…………」





シロー「誰かを助けるのに、理由はいらない」

ネロ「……」

シロー「……それに、『ネロ・クラウディウス』は……いや……」





シロー「『ネロ』は、オレにとって……

 読み焦がれた英雄譚の登場人物でも、国のための機能の一つでもない……」






シロー「数日前に出会って、一緒に寝て食って戦った……一人の『ネロ・クラウディウス』だから、さ」

ネロ「……!」

シロー「微力程度かもしんないけど……手、出さずにはいらんかった。

 ……力、貸させてくれ」