ネロなっ……なにをする! そこを退けっ!

シロー「流石、すごいな……あれだけ攻撃動作に入ってたのに、オレが飛び込むの見て加減したろ?」

ネロっ……!

シロー「……正直、驚いた」





シロー「そっちも、オレの言葉わかるみたいだな……」

ワイルドライガー「グルゥ……」

シロー「通じてなくても、目でわかってくれるか?」





シロー「手を出してすまん……だけど、オレらの目的は水源にいるマモノだ。無関係の相手に危害を加えたいとは思ってない」

ワイルドライガー「グルル……」

シロー「もし、そのマモノの仲間でないなら……この場を穏便に、通してもらいたい」

ネロ「なにを、此奴は……」



ズ シ ッ ・ ・ ・



ワイルドライガー「グルルル……」

シロー「、……ありがとう! 助かるよ」

ネロ「なん、と……」



・・・・・・・・・・・・・







シロー「そっか。縄張りを水源にいるマモノに荒らされたんだな」

ワイルドライガー「グルゥ……」

シロー「いや、気ぃ立ってたなら仕方ないって。オレらこそ、お前の縄張りにずかずか入り込んじったしさ」

ワイルドライガー「グルル」





ネロ「汝よ、そのマモノ……その者と会話できるのか?」

シロー「ん、いや。それできんのはオレの後輩だ。流石にそこまで上等なんじゃないよ」

ネロ「ならば何故その者の言葉が解るのだ?」





シロー「目とか仕草、鳴き声や唸り声の感じから、なんとなく察しただけだよ」

ネロ「なんと……!」

シロー「それに、コイツが人の言葉わかって助かったよ。急いで割って入ったから、そこは賭けだった」

ワイルドライガー「グルル」

ネロ「ふむ……」





ネロ(そうは言っておるがあの時の声……明瞭な意志の込められた言葉であった。

 余ですら一瞬踏みとどまるような、強い意志の込められた一声……)





ネロ(刹那、不穏なふうすら感じられたが、間にはいる際の見事な身のこなしに速度といい……

 何より、それらの能力をああまで晒さず、余が気付けなんだとは……)





ネロ「ふっ、よもや、余が見誤ろうとはな……」

シロー「ん? ネロ、どうし……」





ネロふっ、はっはっはっはっは!

ワイルドライガー「グル?」

シロー「なっ、どした? いきなり!?」





ネロ「いやなに、どうやら余は汝のことを甘く見ていたようだ!

 許せ!

シロー「、……はは、英雄から見直されたんなら、なんてーか……」





シロー「むしろ、光栄だよ」

ネロはっはっは! うむ!