シロー「…………」


 戦闘中……マモノと相対しているとき、だというのに……




す ら っ ・ ・ ・ !



ザシッ! ザッ!


 あまりの、流麗さ、華麗さに……





 息をするのさえ、忘れてしまっていた




ゾ ガ ッ !






と っ



シロー「すげぇ……これが、英雄ネロ・クラウディウスの……!」


ネロ「……むっ、シロー!



ガ ギ ン ッ !



シロー「っ、くっ!?



しゅ ら っ


ガ ヒュ ッ !

ネロなにをしておる! ボーっとするでないっ!

シロー「すっ、すまんっ!





シロー「ネロの剣技に見惚れちまってた!

ネロ、ふっ、はっはっはっは! それならば……」



ポ、ポッ ポッ!

ネロ仕方あるまいなっ!


チ ッ ・ ・ ・





ご う っ !



< 火葬 蛍焔 >




ウ ッ ・ ・ ・



ネロ「死して汝ら罪無し……安らかに召されよ……!」





カ ッ



ネロ「……しかし余の美貌も考え物であるな。こうして、味方までも魅了してしまうとは……!」

シロー「ぐっ……すまん」

ネロ「うむ、よいと言っておる。気にすることはない」





ネロ「言ったであろう? 余がいればなにも問題などないとな!

シロー「…………」


 なぜだろうか、戦闘で役に立てなかった言い訳なのかもしれないけど……

文献には記されていない、その笑顔が……太陽のように眩しく、自信に満ち溢れた笑顔が……






 オレには、とても寂しく……どこか、諦めているように、見えた