
クリス『今のキミに応急処置を施したところで、パフォーマンスの低下は否めない 』
ヴィダール「当然だ」
クリス『ましてや相手は、万全のキミを真っ向から倒した機体なのだぞ 』
ヴィダール「忘れてなどいない。この身に染みている」

クリス『増設のエイハブリアクターも無い今では、限界出力及び稼働時間、ましてやキミが元来持つリアクターも…… 』
ヴィダール「そう言いながらも作業を続けてくれていること、感謝する」
クリス『……怪我人に包帯を巻いたまま飛び出されてもこちらが困るのでな。不本意ながらも手を貸しているだけさ。そう持ち上げられても背中がむず痒くなる 』
ガ シ ン ッ

クリス『それは選別だ。キミの要望通り仕上げておいた。持って行きたまえ 』
ヴィダール「……何から何まで、助かる」
クリス『かまわんよ。なんなら今度、酒でもおごるがいいさ 』
ヴィダール「俺は下戸だ。それなら別の……いや……」

莉子(ヴィダさま……あんな、ケガしたのに……また……)
ヴィダール「どうなるかわからん。わかっているとは思うが、事が済むまで外に出るな」
莉子(止めたい……行かないで、ほしい……また、危ない目に……)
ヴィダール「……莉子?」

莉子「……ヴィダさま……」

莉子「ご武運を、お祈りしています」
ヴィダール「、……行ってくる」
ざ っ ・ ・ ・

へ た っ

莉子「ヴィダさま……どうか、無事で……帰って、きて……」