それからの事は……実は、あまり覚えていない


 だが、堕ちた騎士には過ぎた温情を与えられたことと……






 一晩中、互いの事を語り合ったラビリスが言った言葉……





 俺に、新たな……騎士を名乗る機会を与えてくれた剣士の言葉は……


鮮明に、心に刻まれている





・・・・・・・・・・・・・








ヴィダール「、…………ぬ?」

「あ……あっ……!





ヴィダール「莉子、か……何故、ここにいる?」

莉子「ヴィダ、さま……目が覚めて……気付いて……!」

ヴィダール「……何を言って……?」





クリス「ふむ、目が覚めたかね? 何よりだが、生憎今は手放しに喜び難い」

ヴィダール「何が……っ、俺が戦っていた黒いグレイズはどうした?!

クリス「そのそれだよ」





クリス「何があったかは与り知れんが、唐突にまた現れ暴れている。

 今シロー達が対応しているが、止め切れていないのが現状だ」

ヴィダール「、……クリス女史、一つ頼みがある」

クリス「私にできることなら、何かね?」