つばさ「他者を気遣わず、己を責め……傷だらけの末に果てる。

 ……それが、私のためだと言いたいのか?」

シロー「っ、違っ……ーー……!」

つばさ「…………」





つばさ「あの時の私は、キミを助けるのに必死だった……あれくらいしか、方法が思いつかなかったんだ……」

シロー「……つばさ、先輩……」

つばさ「それが……私が未熟なせいで、キミを苦しめることになるとは……」





つばさ「すまない、シロー……すまなかった」

シロー「っ、謝んないでください! オレは、つばさ先輩に謝ってほしくなんか……!

つばさ「わかっている。言っただろう、キミのことはよく知ってると……だから……」





つばさ「そう、自分を……嫌ってやるな」

シロー「っ……」

つばさ「キミが自己嫌悪に走る気持ち、解らんわけではない……だが……」



ぐ い っ



つばさ「ちゃんと、背筋を伸ばせ。胸を張れ」

シロー「……つばさ、先輩……」

つばさ「キミが嫌う過去のキミも、今のキミも……」





つばさ「キミが背負う罪も、その手で振るう剣も……

 私の大好きな、シロー。キミ自身だ」

シロー「っ……!



と ん っ



つばさ「キミが自分をそう責めてしまっては……大好きなシローを責めるキミを、嫌いになってしまうぞ」

シロー「……つばさ、先輩……」