
クリス「さて、初対面の者は初めまして。そうでない者はコンゴトモ。
モリビト機関第5研究開発班より参じた天才科学者、クリスだ。以後よろしく」
アイオワ「OK、いいじゃない! 私たちのこともよろしく!」

マシュ「わぁ、天才科学者ですって! 凄い人だったんですね」
イオナ「ぉおー!」
シロー「ただのマッドサイエンティストだよ……」
クリス「はっはっは! 褒め言葉として受け取っておこうか」
す っ

クリス「では閑話休題、早々に話を進めさせてもらうとしようか。
君達がこれまで戦い、手に入れたシロモノ……『異能力を与える薬』のことを」

クリス「とはいえ具体的には『他者、他系列の魔力を同調させる薬』、というのが正しいのだと思うな」
マシュ「え、えぇと……」
クリス「絵の具を混ぜるようなものだと考えてくれればいいさ。無地のパレットに赤色を拡げ、青と黄を混ぜれば緑になり、黒を流せばそれ一色になる。そういう塩梅さ」
アキヒロ「そう考えるとわかりやすい、けどよ……」

アキヒロ「人間の体とか魔力だとかを、そんな簡単にできるモンなのか?」
クリス「君の言い分はごもっとも。血液型が一致しないと人体には輸血もできず、それが合っていても臓器移植には常に拒絶反応の可能性が伴う。
だというのにこういった薬を使っては、それら以上の拒絶反応の可能性があるのは明白、と言えよう」
シロー「その割にはやたらばら撒かれてるみたいだし、相手も相手で随分気軽に使ってるみたいだけど……」
クリス「そこで、興味深いものが一つ、見つかった」

クリス「先の例えで言えば、此れに含まれている『色』の一つに……ふむ、表現が少々難しいが……『馴染み、浸透する』異能力が検出された」
リーファ「『浸透、する』……?」
クリス「拒絶反応を抑え、人体に馴染みやすくする、或いは『馴染めるようになる』異能力、とでも言っておこうか。他の調整された魔力成分、異能力を形作るものと違い、これは明白な、ヒト由来の異能力といえよう」
シロー「……なんで、そう断言できるんだ?」

クリス「血液、だよ」
シロー「、……血?」
クリス「ふむ、他の調整された魔力と違い明確に存在していた。
恐らくは、この薬の根幹たる先の……何者かの『馴染み、浸透する異能力』に通じるものだと予想される」
マシュ「血を……で、でも、それが全部のギフトに入っているなら……」

クリス「誰かが悪意ある者に利用されているのか、それとも……
望んで、この薬に『材料』を提供しているのか、といったところになるな」