翌 朝 ・ ・ ・



リーファ「では私も、約束を果たすとしましょう」

シロー「はいす。てか、どこでやるんすか?

 鍛造できそうな場所とかないっすし……別に作業場とかあるんすか?」

リーファ「ふふ、私には必要ありませんよ。

 遠く薄いとはいえ、私は『ルシェ』の血筋を引いていますから」



キ ン ッ

す っ

リーファ「必要なのは、『声』『意志』。私はほんの少し、手を添えるだけ……

 さぁシローくん。あなたがこの剣に込める意志を、教えてください」

シロー「……意志、っすか?」

リーファ「はい」

シロー「意志……オレは……」






シロー「……本当は、吹っ切れたわけじゃないんす。

 オレがどんなこと言っても、つばさ先輩を傷つけたのはオレだから……」

リーファ「…………」





シロー「それでも、オレは……つばさ先輩の剣に憧れたんす。

 暗い夜闇を導いてくれた、眩くて綺麗で、優しい光……月みたいな、つばさ先輩の剣に……」





シロー「でも、オレはつばさ先輩みたく強くない……強くない、けど……

 ちっぽけでもいい。誰かの想いとか願いを背負って……希望になれるような……夜空に、確かに瞬く星屑みたいな……

 つばさ先輩みたいに、夜闇に惑う誰かの希望になれるような……それが、オレの……!」





シロー「つばさ先輩に、憧れて……つばさ先輩に、剣を教わったオレの……

 曲がらない……曲げられない……『意志』っす」




キ ン ッ !

リーファ「臨むは月……目指す頂は遥か遠い。弱いからという言い訳をしていては、永遠に届きはしない……

 その意志、想い……忘れてはいけませんよ」

シロー「はいっす!

リーファ「ふふ、良い返事です」



キ ィ ン ッ !



シロー「っ……!

リーファ「実り多き受難と困難があなたにありますよう……

 この剣に相応しい男になってください、シローくん」