
リーファ「うふふ、昨日はよく眠れましたか?」
シロー「は、はいす……すんません、お世話になりましたっす」
リーファ「構いませんよ。つばさの頼みですもの」
シロー「…………」
・・・・・・・・・・・・・

リーファ「あなたならもう察していると思いますが、私と彼女……私とつばさは、訓練生時代の同期でした」
シロー「やっぱり……」

リーファ「抜き身の刃の如し剛剣の彼女と、宙を舞う羽毛の如し柔剣の私。
それに、私と彼女は『聖刀アメノハバキリ』の適合者に選ばれていましたから、お互い意識して張り合うことも多い……
いわゆる、ライバルでしたね」
シロー「(ライバル……つばさ先輩の……!)
その……お二人は、どっちが強かったんすか?」
リーファ「ふふ、気になりますよね。当の本人である私が言うのも何ですが……」

リーファ「最終戦績は121戦120勝1敗。『アメノハバキリ』の適合率は71%」
シロー「、……」
リーファ「私の方が、上でした」
シロー「だから、専攻1位に近かったって……でも、なら……」

リーファ「残念ながら、ある日の一戦……私は怪我を負いました。
負けるはずがないと思っていた相手の、勝利への渇望を見誤り……
何より私自身の慢心のせいで、抜き身の刃に触れたがために招いた大きな傷……」
シロー「…………」

リーファ「私が唯一付けられた一敗。その時につけられた、肩口の傷……その療養のため、私は『屋敷』を離れたんです。だから、私はサムライ専攻1位にはなれませんでした」
シロー「っ…………」

リーファ「傷を負ったときの私は、荒れたものでした。
己が未熟を認めず、なぜ、どうして私だったのか。つばさの気持ちを考えず、辛らつな言葉を吐きつけたことすらありました……」
シロー「……」
リーファ「その時の彼女の表情は、今も忘れません。
…………」

リーファ「今のあなたも、同じ顔をしてますよ。シローくん」
シロー「えっ……」
リーファ「自身の罪に苛まれ、己をすら傷つけようとする……
あのときのつばさと、同じ顔です」