シロー「っ、ち、ちょ……速く、ないすか……!?」

ザックあ? こんぐらい普通だろ?! それにちょっと遠いからな!

 急がねぇと日ぃ暮れる!


シロー「そ、そんな遠く行くんすか……?」





シロー「……その、ザック、先輩……」

ザック謝んな! しみったれた話するために連れ出したんじゃねぇからな!

シロー「っ……じゃあ、なんで……」





ザック会わせたいヤツがいる。今からソコ向かってんだよ

シロー「会わせたい、って……誰すか?」

ザック剣士だよ剣士。俺の同期のな!

シロー「ザック先輩の同期て……」





ザックサムライ専攻第1位に最も近かった奴! よく覚えてるが、アイツは別格だった!

シロー「っ、専攻一位……それって……!」


ギ ャ ン ッ !



シロー「うわっ!

ザックあんまボソボソ喋んな! 風切り音でよく聞こえねんだよ!

シロー「す、すんませんっす!

ザックはっはは、それでいい!





ザックこうして無心になって風切って、大声出してっと嫌なこともすっ飛ばされるってもんだ!

シロー「っ……」

ザックどうだ?! 少しは気ぃ張れたかっ!

シロー「……はいっす!

ザックはっははは! ならいいっ!





シロー(……すんません、ザック先輩……

 オレ……)