
シロー「っ、ち、ちょ……速く、ないすか……!?」
ザック「あ? こんぐらい普通だろ?! それにちょっと遠いからな!
急がねぇと日ぃ暮れる!」
シロー「そ、そんな遠く行くんすか……?」

シロー「……その、ザック、先輩……」
ザック「謝んな! しみったれた話するために連れ出したんじゃねぇからな!」
シロー「っ……じゃあ、なんで……」

ザック「会わせたいヤツがいる。今からソコ向かってんだよ」
シロー「会わせたい、って……誰すか?」
ザック「剣士だよ剣士。俺の同期のな!」
シロー「ザック先輩の同期て……」

ザック「サムライ専攻第1位に最も近かった奴! よく覚えてるが、アイツは別格だった!」
シロー「っ、専攻一位……それって……!」
ギ ャ ン ッ !

シロー「うわっ!」
ザック「あんまボソボソ喋んな! 風切り音でよく聞こえねんだよ!」
シロー「す、すんませんっす!」
ザック「はっはは、それでいい!」

ザック「こうして無心になって風切って、大声出してっと嫌なこともすっ飛ばされるってもんだ!」
シロー「っ……」
ザック「どうだ?! 少しは気ぃ張れたかっ!」
シロー「……はいっす!」
ザック「はっははは! ならいいっ!」

シロー(……すんません、ザック先輩……
オレ……)