
スペクター「今しがた倒した奴、名は屍霊侯……『死者の魂を弄ぶアーティスト』、そう嘯いていた者だ」
凛「弄ぶって……」
スペクター「どちらかというと科学者や技術者に近い印象がある。魂をソフト化し、肉体というハードに収め操る。外法の探究者……本人は芸術家気取りだったがな」
シロー「……やっぱ、
未央「で、でも、やっつけちゃったんだからもうダイジョブなんじゃない?」

スペクター「先に倒したのは、正確には奴の分体のようなものだ」
未央「分体……って?」
シロー「分身とか体の一部とか……てかアレで本体じゃなかったってことか」
スペクター「本体は不明だが、それは確かだ。奴の制御を繰糸とすれば、分体は糸受け、手板といったところだ」

スペクター「俺も、魂の繰糸に囚われていた。だが肉体を借り受け、手板を砕くことで戒めを説くことができた……
卯月、と呼ばれていたな。改めて礼を言う。ありがとう」
卯月「は、はいぃ……ど、どういたしまして……」
凛「……茶化すつもりはないけど、さ……」
ぐ い っ

卯月「いっ! 痛い痛い痛いぃぃ!」

未央「ちょ、しまむーだいじょぶ?!」
卯月「ぅぅ~……ぜ、全身筋肉痛みたいです……」
シロー「と、とりあえず揉みほぐすから、ちょっと我慢しろって」
卯月「お、お願いしま……痛たっ!」

スペクター「加減はしたつもりだが……そんなにひどいのか?」
シロー「ん~けっこう凝ってるみたいだけど、ケガとか異常はないっぽいから大丈夫だよ」
凛「ふ、ふへへ……私達って、なんかホント締まんないね」