
???「……タマモ」
キャス狐「……もういっそお師匠様の言いつけを破って……それは絶対ダメ、というか不可能。
……だとすると、アキヒロのほうをなんとかすれば……?」
???「タマモ……聞いていますか?」
キャス狐「遠距離恋愛は破局するって相場が決まってますし……というかタマモはケータイ持ってません。そうだ! 既成事実! 既成事実さえ作っちゃえば! そうと決まればさっそくアキヒロに夜這いを……!」

が し っ
サクヤ「いつぶりかもわからないはずなのに、相変わらず人の話を聞かない娘ですね。縊り殺しますよ?」キャス狐「へあっ!? えっ、おっ、お師匠様!? お帰りになられたのですか!? いつからそこに!?」
サクヤ「はい。あなたが既成事実がどうだのご懐妊がどうだのと宣っている間にです」
キャス狐「え~タマモはそこまで言ってないと……」
み し っ ・ ・ ・

キャス狐「ギャーッ!!」
サクヤ「私がいない間、よくこの山と社を守護しました。よい働きでしたよ」
キャス狐「ほ、褒めてくれるのは嬉しいですけど、正直タマモ一人じゃ……」
サクヤ「力及ばぬと知り諦めるではなく、素直に、それも見ず知らずの人間に助力を請おうという姿勢もまた、よき成長をしたという証です」
キャス狐「な、なんかそんな普通に褒めてくれるお師匠様ちょっと気持ち悪……」
み し っ ・ ・ ・

キャス狐「ギャーッ!!」
サクヤ「もとは大化物だったかもしれないあなたを拾って幾星霜、そりゃぁもうビシビシと鍛え上げて一人前に育て上げたつもりです」
キャス狐「いやだって逃げてもマッハで捕まえられたし……」
サクヤ「あまり揚げ足取ると縊りますよ?」
キャス狐「タマモ黙ります」
サクヤ「良い子です」

サクヤ「そんな良い子のタマモに、ご褒美をあげたいと思います」
キャス狐「え、え~でもお師匠様のご褒美ってだいたい地獄修行のおかわりとか……」
サクヤ「黙るって言ったのはどこのどいつですか?」
キャス狐「タマモです」
サクヤ「良い子です」