ツキカゲ「それでは行きましょう。貴女がここで果たすことはもうありませんわ」

れい「……行き、ません……」

ツキカゲ「?」





れい「ここまでが……あなた達の、スパイとしての……私……

 ……私が、やらなくちゃ……いけないことは、果たしました……

でも、ここからは……」




ガ チ ッ




れい「私の意志で……あなた達を裏切ります……

 これは、渡しません……!」


ツキカゲ「……くく、可笑しな話……裏切り物のあなたが、わざわざ奪ってきたものをまた護るなんて……」



ぐ り っ ・ ・ ・

ツキカゲ「裏切り物が、また裏切るなんて……それなら、貴女は一体何だというのかしら?」


れい「……もう、私は……何でも……誰でもなくていい……スパイでも、モリビトでも、何でもなくていい……

 償いだなんて言わない……それでも……」





れい「でも、これが……私の、意志……だから……!」


ツキカゲ「……くくっ、くだらない……

 つまらない情に流され、自分の存在もわからなくなって……人形にしては過ぎた感性というものですわね」






ツキカゲ「なら、貴女をいたぶり……後悔させてあげましょう。

 すぐには殺さず、じっくりじっくり貴女の四肢を削ぎ落して……生まれてきたことを、後悔させてあげますわ」


れい「…………!」