れい「シロー、先輩……その……聞きたいことが、あります……」

シロー「え? ……なんだ?」

れい「……戦いの意味って、何ですか……正義って、何ですか……何なんですか……?」

シロー「……正義……戦いの、意味……か……」





シロー「……正直言えば、わかんないけど……オレとしては、正しいことをすること、だと思う」

れい「……正しい、こと……ですか……?」

シロー「もちろん、何が正しいかなんかわかんないモンだけど……でも、自分に正直にってか、自分が正しいと思うことを、すること……それが、一つの正義だと思う」


れい「……なら、なんで…………自分が、正しいと思うことをやってる、はず、なのに……」





れい「どうして……どうして、こんなに……胸が……心が、苦しいんですか……こんなに、悲しいんですか……!? どうして……」

シロー「お、落ち着けよれい! れいらしくないぞ……」


れい「……私らしさって……なんですか……!

シロー「え……?」

れい「もう、私も……私が、なんなのか……もう……」




ぱ さ っ ・ ・ ・





れい「……私は……アラビスタから送り込まれた、スパイです。これは……その、証……」

シロー「え……な……?」

れい「ずっとあなた達を欺いて……潜入して……

 今、第5班のラボに侵入して……データを奪うよう、命じられました」

シロー「れ……れい……?」





れい「……止められるの、なら……止めてみて、ください……!」



だ っ !


シロー「っ、れい! 待っ……!!





ず っ ・ ・ ・


ガシャ ガシャッ!


シロー「っ!? こい、つら……!

???……行かせない

シロー「なっ!?





???ここで役目を果たし、死ぬのが……あの道具の、役割です

シロー「っ……邪魔だ……どけよ!

???わからない。なぜあなたは、使い捨ての道具にこうも感情移入ができるのですか?

シロー「れいは道具じゃない……そこをどけ!!








れい「……やっぱり、追ってこない、よ……ね……」



(うぅん……これで、いいんだ……これで……)