シロー「よしっ! 荷物纏め完了……ってか、着替えくらいしか持ってきてなかったんだよな。
 ストレングスも忘れものとかないな」

ストレングス「…………」

シロー「……って、ストレングスなんも持ってきてなかったのかよ……」

ストレングス「…………」





シロー「ま、まぁいいや。釣竿もアインにあげたし、借りてた剣も手入れして返したし、ナナさんとヘンリエッタに挨拶もしたし、まどかと加賀さんにも声かけたし、……これで、忘れもんはないかな?」

ストレングス「…………(ホントに?)」

シロー「そ、そう言われると不安になるけど……」


とんとん



シロー「ん? 開いてるよ」


「はい、失礼します」


がちゃっ





シロー「お、澪。どうした?」

「はい、シローさまがモリビトに戻られると聞きましたので、ご挨拶にとお伺いしました」

シロー「ああ、ありがとな。……そういや、澪にも世話になりっぱなしだったな」

いえっ! それがメイドのお仕事ですから!」

ストレングス「…………」

シロー「ん? ……ははは。ストレングスも、澪の作ってくれたごはんおいしかったってさ」

「ストレングスさま……はい! ありがとうございます!」





「それで、よろしければお土産と道中のおやつにと、クッキーを焼いてきました。お荷物に加えていただけると、嬉しいのですが……」

ストレングス「…………!」

シロー「ああ、もちろんだよ。……ホント、澪には最後まで世話なりっぱなしだったよ。ありがとな」

「そ、そんな恐れ多い……でも、ありがとうございます!」

ストレングス「…………(うんうん)」