
キリツグ「マト、ヨミ……二人に起きたことは、『裏返り』と言われている現象だ」
シロー「『裏返り』……」
キリツグ「特異な魔力……一概に、強すぎる魔力を持つ者が、その力に自身の「存在」が耐えられなくなり、「別の人格」として変異する。
……そのことを、俺達は『裏返り』と呼んでいる。おまえが戦った
シロー「……。……なぁオヤジ……ヨミを、戻すことはできるのか?」
キリツグ「……正直にいえば、難しいだろう。過去、マトとヨミの二人を除いて2つの事例があったが……そのどちらもが、元に戻る方法はなく……不可能だった」

キリツグ「だが一つ、前例のないこととしては……マトが、一度『裏返り』ながらも元に戻れたことだが……これに関しては、まだ情報が足りない」
シロー「……それで、マトは大丈夫なのか? 一度、ああなって戻ったんなら……」
キリツグ「……わからない。次にいつまた『裏返る』かはわからないし、もしもう一度、裏返った時……今回のように、戻れるかも……」
シロー「…………くそっ!!」

キリツグ「……ヨミの行方は、こっちで追跡する。
……シロー、マトはお前と、13班に任せる。……きっと、不安だろうから、な」
シロー「……言われないでも、わかってるよ」
キリツグ「……ごめん、こんなことばかり押し付けて……だが、きっとお前たちでないといけない。俺はそう思うんだ……母さんも、同じだ」
シロー「……謝んなくていいよ。それに……わかってる」

ひびき「ね~マト、元気だしてよ~……」
マト「………………」
ひびき「うぅ~……マト~……」

つばさ「ひびき、冥夜班長が呼んでいる。来てくれ」
ひびき「わ、わかりました~……マト、ヨミがああなっちゃって怖かったと思うけど……何かあったら言ってね! いつでも相談に乗るから!」
つばさ「マト、怖かっただろうが……無理はしなくていい。今は、少しでも落ちついてくれ」
マト「…………」

マト「……違うよ……あたしが、一番怖かったのは……
ヨミを、本気で殺そうとしちゃったこと……
親友の……大好きなヨミを、殺そうとしたことだから……」