この地球を下に見る衛星軌道……太陽の輝きすら拒むその暗黒の中に、悪しき者達が潜んでいた。

その闇の名は“デスペラード”
宇宙を渡り歩き、破壊と侵略を繰り返してきた邪悪なる者達の集団だ。

そしてその深淵の中央に、5体の幹部達が集まっていた。


獣将トライダート

トライダート「この星にもなかなか骨のあるやつがいるようだな、ガーベラ?」


機将ガーベルファース

ガーベラ『あれは下見です。次はもう少し手を加えたのを送ってみますよ。本格的に動くには、まだ情報が足りないので』


剣将フレイア

フレイア『ふん、つまらん。私には関係ないことだ』


牙将ナイトメア

ナイトメア「くくく…まぁ、これで少しは楽しめそうじゃねぇか?ヒーローとやらも、オレにとっちゃ所詮ゲームのスパイスだ」


将王オルタネイティブ

オルタ「警戒するに越したことはありませんが…各員、自身の持つ使命をお忘れなきよう…」


平和な地球に、邪悪なる魔の手が迫っていた!


そしてその頃、あの部隊では…。



ディノ「やれやれ、やっと申請書が終わった…」

書類に追われていたディノが、やっとのことで開放されていたところだった。



ディノ「まさか、始末書と申請書だけで5日連続徹夜になるとはな…さすがに温泉にでも行って、ゆっくりしたい…」

しかし隊長という立場上、任務を置いて温泉に行くわけにもいかない。
苦しいところである



メイ「おつかれさまです、隊長。コーヒーです」
ディノ「ああ、メイ。ありがとう…
    …なんで強化武器の使用申請だけに、あんな大量の書類が必要だったんだ?」

メイ「わたし達は一応、警備会社みたいな役職ですからね。こういう書類をちゃんとしておかないと、ゼロさんのやっかいになっちゃいますよ」
ディノ「それもそうか…そういえば、他のやつらは?」
メイ「シンとカノン、レイはパトロールに、カガリさんとお姉ちゃんはチェイスさんのところへ武器納品に行ってます。」
ディノ「そうか…そうだな、おれものんびりとはしてられんな」
メイ「隊長はもう少し休んでてください。隊長に過労で倒れられたら、それこそ一大事じゃないですか!」
ディノ「……わかった」


ところ変わって、シン達はというと…。



シン「平和だなぁ…」

そんな隊長の苦労もいざ知らず、あいも変わらずサボっていた。



カノン「いいの?こんなとこでさぼってて…」
シン「ま、回るところは回ったからいいじゃねえか」
カノン「………」
レイ『こちらレイ、そっちはどうだ?』
カノン「…シンさんがサボってる」
レイ『どこか行かないように見張っといてくれ。カガリが新型の武器持ってくる手はずだからな』
カノン「(そ、そんなんでいいの!?) …うん、わかった」

そんなこんなで今日も平和に見える街。
しかしその時、




『ギィーン…!』
不気味な機械音を響かせ、再び現れる機械兵士達。その者たちが無慈悲に、無造作に、街を破壊していく。

しかし、その者たちに対抗するために、彼らがいるのだ。



カガリ「よっしゃ!ぶっ潰すぞ!」
レイ「…まだ新兵器の微調整が終わっていない。慎重にな」
カガリ「わーってるよ!」
レイ「………」



カノン「これ、機械なの?」
シン「ああ。だから、手加減なんか必要ないぜ!」




強化された武装により迅速にギアーズ部隊が駆逐されていく。そして残された一体は、



機械兵士、ギャンだ!

レイ「また、リーダー格が残ったな」
カガリ「はん!一気に叩き潰すよ!」
レイ「…次は助けんぞ」

ギャン「ギィーン…」




だがやはり上位機種はギアーズと違う。強化された装備により善戦するも、ギャンが倒れる気配は一向にない。



シン「っ…やっぱ、あの力じゃないとダメか…!」





シン「変身っ!」




グラディオス「よし…いくぞ!
ギャン「ギィーン…!」

満を持して現れたグラディオス。戦いが始まった




しかし武器を持つギャンを相手に、グラディオスは予想以上に苦戦。そしてギャンの放つ渾身の一撃を受け、グラディオスが膝をついた。


シン「ぐっ…くそ!」
ギャン「ギィ…ギィン!」

さらにギャンが追い討ちを刺そうとする。その時、

シン「おおおぉぉ!!」

ガギィン!







ギャン「ギ…!?」
グラディオス「なっ、これ?……ラッキー!

新たな武器を手にしたグラディオス。さあ、反撃開始だ!



武器を得たことで戦いは互角に、いや、むしろグラディオスのほうが優勢になっている。
しかし窮地に陥る寸前、



ギャン「ギン!!」
グラディオス「くっ、またかよ!」
卑怯にもギャンの眼からレーザーが放たれる。至近距離からの攻撃に、よろけるグラディオス。



そしてこれ好機とばかりに、グラディオスへと斬りかかった!

グラディオス「ぐ、くそっ!」

バドドォッ!



だがギャンの凶刃がグラディオスへとどく寸前、ギャンの側面から銃撃が加えられた。今度は逆に大きく体勢を崩し、大きな隙が生まれた!

グラディオス「っ!?今だ!!」





ギャン「ギィィ…ギ」

必殺技、ブラストセイバー一閃!真っ二つに両断され、爆発を起こすギャン。グラディオスの勝利だ!


…………………




変身を解除したシンのもとへ、仲間達が集まる。

カノン「だいじょうぶでしたか、シンさん」
シン「やっぱり、さっきのはみんなが?」
カガリ「あったりめーじゃん。シン一人だけに任せとくわけにもいかないっ    しょ!」
レイ「たとえおれ達が非力だとしても、お前一人だけには戦わせん」
カノン「…そういうことです」
シン「みんな…ありがとな!」


平和を取り戻した街に笑い声が響く。
…しかし、その光景を静かに見つめるものがいた。




ガーベラ『ふむ…これならデータは十分ですね。次は、彼を向かわせるとしましょう…』


仲間との力により、悪を退け平和を守った我らがヒーロー!
だが、シン達に迫る、新たな強敵の姿とはいったい…