
今日も平和な地球の街。
その平和を守るために、今日も防衛組織“ディフェンダー”はパトロールを行っていた。

レイ「こっちは異常無しだな。隊長達と合流するぞ」
カガリ「あたし腹減ったよ。
さっさとパトロール終わらせて、王将で昼飯にしようぜ」
真面目に仕事を行うレイとは対照的に退屈そうな表情を隠せずにいるカガリ。
平和を守るのが使命のはずなのだが、何か起こればと思っているのは言わずもがなの様子…。
ディノ『私語は慎め、任務中だぞ。それと隊長には…』
カガリ「はいはい、がんばりますからよっと!」
ブツッ!
レイ「……………」

ディノ「っ、まったくあいつは…」
ルナ「まあまあ。彼女は責任感の強い子ですから、
多少は大目に見てあげましょうよ」
ディノ「それでも少しは敬語くらい使うべきだと思うがな…」
ルナ「まあまあ。隊長は接しやすい人柄ですからね。
…あ、シン?そっちはどうですか?」
シン『ああ、こちら異常なし。大丈夫っす』
ディノ「とかいって、さぼってないだろうな?」

シン「し、仕事ならちゃんとしてるっすよ!
運転中なんで通信切りますよ!
…ふぅ、なんで隊長あんな勘いいんだろ…」
こうして彼がサボることができるのも、
街が平和だからのこと……あまり関心はできないが。
シン(……カガリの言うように、
さっさと合流して昼飯にするかなぁ)
しかしその時、

ギアーズ『ギ、ガガ…ガギギ……』
平和な街に、突如として怪ロボット「ギアーズ」が現れた!

ギアーズ『ギ、ギギィィ…』
ギアーズ達は何かを探すかのように動き回り、そしてそのうちの2体が、シンへとにじり寄る。
シン「な、なんだこいつら!?」
ディノ『シン、聞こえるか!
駅前に謎の武装集団が現れた。すぐに来てくれ!』
シン「そんなこといわれたって…こっちにもいるんすよ!?」

ギアーズ『ギ、ギギッ』
場所は変わり街の中心でもある駅前広場。
ディノ達が集まるその場にも、ギアーズの集団が現れていた。
ディノ「くっ、そっちにもか……何体だ!?」
シン『二体!』
ルナ「住民の皆さんの避難、完了しました。
それとJR方面にはハイネ指令達が向かったそうです」
ディノ「よし、わかった!
シン、すまないが切り抜け次第こちらへ来てくれ!
カガリ、レイ!攻撃許可!」
カガリ「よっしゃー、待ってました!!」

レイ「…被害を大きくするなよ」
カガリ「わーってるよ!」
レイ「………」
ドガッ!
ギアーズ『ギギャッ!』

シン「っとに、無責任な隊長だな!」
ディノ『聞こえてるぞシン!』
シン「あ、わわっ、すんません!」
ディノ『無駄口叩かず集中しろ!』


ギアーズは数こそ多いが戦闘能力は高くなく、鎮圧用の武装でも十分に対応することができる。
銃撃戦で、格闘戦で、一体ずつだが確実にギアーズの数は減ってゆく。

ドギャッ!
ギアーズ『ギイイ!』

シン「すんませんっ、遅れました!」
ディノ「来たかシン!よし、一気に叩くぞ!」

さらに遅れながらシンも到着し、多数いたギアーズも木の葉を散らすように次々と撃破していった。
ガンッ!

カガリ「よっしゃ!こんなザコども余裕余裕!」

レイ「カガリ、油断するな。まだ敵は残っているぞ」
カガリ「残ってるったって、
こんな奴らがいくらいたって変わんねーよ。
さっさとおわらせよーぜ!」
レイの心配を軽く流し、調子に乗ったのか、テンションが上がったのか、カガリは余裕を見せつつそう言う。
しかしその時、

デスアーミー『ギ、ギリリギ…』
ギアーズの並ぶ奥から一体の、ギアーズよりも大型の怪ロボット、デスアーミーが姿を見せた。
レイ「…あれがリーダー機か?」
カガリ「はん!あたしがやってやるよ!」
レイ「っ、待て!」

デスアーミー『ギギガッ!』
カガリが突っ込もうとしたその時、デスアーミーの眼から強力な破壊光線が放たれた。
カガリ「っ!?しま…」
バヂイィィィ!!

レイ「ぐ、がっ!」
カガリ「なっ、レイ!」
破壊光線は突っ込んでいたカガリへ向かうも、それより早く動いていたレイが盾となり、それを受け止めた。

しかし破壊光線の威力は高く、レイは傷口を押さえ膝をつく。
カガリ「レイ!おいレイ!」
レイ「ぐっ…だから、油断するなと…」
カガリ「ぐうぅぅぅ!くそぉっ!」

カガリ「こんのやろぉ!くらえ!!」
ガドドドォッ!

カガリの持つハンドランチャーから鎮圧用ではない、凄まじい破壊力のグレネード弾が放たれ、デスアーミーを直撃。凄まじい爆風と爆煙が周囲に舞う。


だが、爆煙の中から現れたデスアーミーは、何事も無かったようにこちらを見つめていた。
カガリ「なっ……無傷…!?」
デスアーミー『ギギガ…敵対勢力、排除…』
そしてデスアーミーは呻くように機械音声を発すると、ディフェンダー隊へ襲い掛かった。


幾重にも放たれる銃撃。しかしディノ達の懸命の攻撃もものともせず、デスアーミーは圧倒的な力を振り回し、なぎ払っていく。

シン「くっそぉぉ!」
怒号一括、シンは叫び声とともにマシントライアルにまたがると、一直線にデスアーミーへと突撃した!
ガガギィン!!


しかし、デスアーミーは厚い装甲と強靭なパワーで、その一撃を受け止める。
シン「ぐっ…止められ…」
デスアーミー『ギギィィ!』
ガキャッ!
シン「うわぁぁぁ!?」

そして力任せにバイクを投げ飛ばした。
マシンから投げ出され、もんどりうって倒れるシン。
シン「ぐぁっ……くそ…!」
ピリリリリッ、ピリリリリッ、
その時、目の前に転がり出たケータイから、着信を示すアラーム音が鳴り響いた。
シン「な、なんだ!?こんなときにいきなり!」
ピッ

スイッチを入れると、ケータイのモニターに一つの文字が浮かぶ。そこに書かれていたのは、
『力を貸す』
ただその一文字だけ。
シン「な…なんだ、これ…おわっ!?』

バシュウウウウウウウウ!!
シンがその文字を読み終わると同時にケータイから閃光が迸り、シンの体を包み込んだ。
突如としてシンを包んだ光…そして、その中から現れた者の姿とは!
続く!