新作インディを観たら案の定マッツ・ミケルセン沼どころか崖に転落しました。助走を付けて飛び降りたとも言う。

1回妹と観ましたが、もう1回一人でレイトショー行きました。マッツ崖はシュナイダー博士が落ちていった奈落ばりに深い。あと5000兆回くらい見たい。円盤買おう。






かわいそかわいいヴィランは尊い。:『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』感想(ネタバレ含む)



世の中には数多のイケメン、ハンサム、男前、美男子がいますが、人並外れた、というよりマッツ・ミケルセンほど人間離れした美しさを持つ男性は他に思いつかない。真面目にエルフか何かの血を引いてると思う。北欧の至宝どころじゃねぇ、人類700万年の至宝だ。早口。そんなマッツのことは前から気になっていましたが(Twitterのタイムラインにお写真が流れてきたりするため)確実に沼なのが薄目で見ても分かったので避けておりました。実写版クロコダイルは絶対この人がいいとか思いながらですね。しかし贔屓のキキちゃんこと芹香斗亜さんと同じ役: 007カジノロワイヤルのル・シッフルを演じたという共通点が爆誕してしまったためもう避けられぬ、と思っていた矢先、新作インディに出演することを知り(神無月氏、ハムナプトラとジュラシックパークとインディジョーンズと千と千尋は何回見たか分からぬ。)、ここで沼もとい崖に飛び込むことを決意。私ったら相変わらず色が薄くてどことなく幸が薄そうで、儚げな色気のあるひとが好きなんですねぇ。あとから思えば荒鷲と近い雰囲気がありますね、身長も同じ184センチ。


マッツ演じるフォラー博士、インディシリーズのヴィランなので確実に死ぬと理解した上で、どういった性格なのかは全く予想せず、しかし冷酷設定なのは頭に入れた上で鑑賞。しかし序盤(過去編)から全力で殴られ吹っ飛ぶ、一度起きたのに銃撃に遭って再度吹っ飛ぶ、まではややびっくりしながら堪えたものの、列車から吹っ飛ばされるのは完全に予想外で思わず失笑(ていうかよく無事だったよな!?)。


そして気付く。あ、これかわいそかわいいってやつだ。
殴られたあと目が覚めてダイヤル奪われたことに気付いた時泣いてそう(可愛い)。


そもそももって顔が世界遺産レベル、いや宇宙の至宝レベル。常に鞄を斜め掛けしている姿が地味にこれまた可愛い。最高。しゅき。私も斜め掛け鞄買おう。

そんな鞄を奪われそうになり後ろから締め上げられるシーンが最高峰にかわいそかわいくて、妹と同タイミングで笑いました。さらに言えば走り方が非常に可愛い。吊り橋を小走りで駆けていく姿が可愛すぎて一瞬意識を失いかけました。←え? そのせいで1回目は気づかなかったんですが2回目見たら吊り橋で何気にクレーバーがエスコートしていることに気付いてちょっと待って? って見ていたら飛行機内でも危なっかしい博士をクレーバーが支えていて、いやこの二人距離感近くね???ってなりました。もしかするともしかして?????

まあなんかどっちかっていうと目を離すと危険なマイペースドジ幼児と元ヤンのオトン感。

かと思えば軍服姿があまりに恰好良すぎて風邪をひきました(真面目に見た日の夜に風邪をひいて1週間以上こじらせました)。思えばあれだ、3作目でフォーゲル大佐役だったマイケル・バーンはハリポタで老年グリンデルバルド(この前初めて知って全然気付かんかったわ!とめちゃくちゃびっくりした)、マッツはファンタビで壮年グリンデルバルドを演じているので、こりゃもうグリンデルバルドはナチスコスプレをする運命。ハリウッド版ヘルシングもよろしく。
姿勢とスタイルと本来の運動神経が良いからめちゃっくちゃ軍服似合いますね。最高。しゅき。


末路も含めてかわいそかわいかったです。


破滅に突き進むのは詰まるところ博士自身の計算、選択、決断ミスのせいである点、アメリカ映画らしい単純な因果応報とも違い、あるいはシリーズ歴代ヴィランに共通する「求めすぎたが故に人智を超えた力によって破滅する」という末路とも違い、よりかわいそう感が強調されてやしないか。そういうのSUKI!文字通り頭抱えちゃうところかわいすぎ!

行動(物理学者だから無駄を嫌うかと思いきや人命は砂埃レベルの冷酷さ。でもよくよく考えてみると歴史改変を行うつもりだから『現在』の犠牲はどうせ無かったことになる計算だったのかもしれない。)に同情の余地ないけど性質に同情の余地残す悪役とかもう、そういうのSUKI!!あと撃たれた後の死の香り漂う凄まじい色気はどうやったら人間に可能なんですか???

「今までとタイプの違う敵」というのがよく分かりました。リアリストの科学者で、無知の好奇心、私利私欲、物欲が行動原理ではないキャラクター。「運命のダイヤル」(アンティキティラ)は手段であって目的ではない。
歴代ヴィランは皆、原動力が遺物に対するオカルト的好奇心だったり物欲だったりして、結果遺物の怒りに触れるような形になり、超人的パワーで人体破裂したり、崖から落ちて鰐に丸呑みにされたり、奈落の底へ落ちて行ったり、目から発火して塵と化しUFOに呑まれたり、しかもそれが自分の行動結果から直結する自業自得でわりとダサいのである(こら!)。

ところが博士は悲鳴もあげずに死んでいったので「もう少し派手に死んでも良かったんじゃない?」って言ったら妹に「あれで!?」とちょっと引かれました、まる。たしかにもう助からないことが確実になるまでは生き残ろうと必死でもがいていましたし、爆発炎上の墜落死で焼け爛れた死体姿までスクリーンに晒したのは十分派手ですね。というか歴代は全員死体も残らない死に方だったわ。

博士もクレーバーも静かに死にましたが地面に叩きつけられる瞬間何を考えたのかな……クレーバーが最期博士の方を見たのは何だったのかな…… 博士は撃たれた時点でもう無理だと分かっただろうし狭い機体の中のどうしようもない絶望感はいかほどだっただろう……とか色々考えてしまったりする。あまりにもかわいそかわいいので現世で沢山いじめて(語弊)来世で幸せにしてあげたい。

強大な敵に見せかけてドジっ子感、ヘタレ感、雑魚感で人間臭さを出してくるのはマッツの演技力と生来の魅力の錬金術ですね(キキちゃんの演じる悪役もよく似た魅力がある)。懐中電灯の持ち方、食事の摂り方、髪型の崩れ方、直し方、全部が魅力に繋がっていてとてもよい……良いにもほどがある。最高。しゅき。無限に推せる。


さて、かわいそかわいい博士の話しかしていないのでもうちょっとなんか他の感想。


○時代設定
序盤はベルリン陥落の1945年。
『現在』はアポロ11号の1969年。
インディとフォラー博士の「四半世紀前の姿」はデジタル技術を駆使したりして映像化しているそうな。最新の技術はすごいなぁ〜〜って感心しながら見ていました。


○ 皆んな嬉しい、サラー再登場!


「その他の声の出演 安元洋貴」とかいうパワーワード。
絶対あのムキムキ役やん!って瞬時に思った。
1作目でプロペラに巻き込まれたムキムキ役と、2作目でローラーに巻き込まれたムキムキ役が同一人物だったことをこの前初めて知りました。3作目にも登場したあとに役者さんが亡くなったけども、4作目ではムキムキ(191センチ)ソ連兵、5作目ではさらにムキムキ(驚異の218センチ)ナチスが登場って彼らの存在意義がオマージュ。全員もれなく悲惨死。かわいそうに!


○部下を188センチと218センチにすることで184センチの博士を小さく見せる高度な技術。
ずんちゃんが小さく見える宙組マジックと同じであった。


○ウェーバー大佐。
博士に対してややパワハラを行っていますが強く逞しく実践経験豊富そうないかにもドイツ軍人でなかなか良いキャラしていました。ただしどう足掻いても死亡フラグしか立っていない。


○トビー・ジョーンズ。
映画ミストのスーパーの副店長役が好きです。射撃の名手で格好良いんだよなぁ。死ぬけど。ジュラシックワールド2のオークショニア役も小物感が良かったなぁ。死ぬけど。ハリポタでドビーの声優やってるのも有名ですよね。死ぬけど。今回も1969年時点では故人。死ぬなよ!


○竜退治の人形劇
まさかこれが伏線とは思わへんやん!


○ハインケルHe111
あの戦闘機がハインケル・ウーフーの名前の由来になったあのハインケルらしい。ていうかこれ燃えたから古代人にはフェニックスに見えたんだなぁ理解。それにたぶんあれだ、人間を宇宙に送った博士が地上に墜落するっていうそういう暗喩。ウラジーミル・コマロフ連想してしんどい。彼の味わった絶望もいかばかりか。


○ラヒム
コイツはまじで憎めない。死ななくてよかった。


○麦わら帽子
田舎の少年の表象なのか。


○岩壁から虫
2作目のオマージュ笑。その直前にインディが2作目で散々な目にあった話をしていたのでそう繋がるか笑と思った。ていうか博士たちはこの道どうやって突破したんだろう……。岩登りも博士の体力では無理そう。虫が降ってきたら、離れたまえ!とか言いながらちょっと泣いてそう。可愛い。


○トゥクトゥクチェイス
さすがにハリソン・フォードの年齢を考えてか殴り合いみたいなアクションは少なめ。代わりに若く逞しいクズのヒロインとトゥクトゥクが身体を張ってくれます。
ストーリー自体にも「老い」をテーマにしてあるところがあって何とも言えない物悲しさがありました。ていうか学生にろくに講義も聞いてもらえないまま定年退職ってかわいそすぎる。


○全体的な感想
ジュラシック最新作を見た時も思ったんですがやはりシリーズファン向けに作られているところがどうしてもあって、それ単体で抜群に面白いかといえば少し違うかな(ジュラシックは折角ドジスン再登場だったのに掘り下げが弱くて残念だった)、とも思うけど今までは笑えるラストだったのが今回はしんみり泣けるラストで最後なんだなぁと実感。良かったね、で終われて良かった。どうあがいても良くねー要素が一つだけあったけど!死んじゃいけない人が既に死んでたけど!





崖が深すぎたのでドラマ版ハンニバル買いました。不穏で陰鬱で映像美しくてレクター博士の顔と仕草も美しくてニコニコしながら観ていたら4話目で虫がうにゃうにゃ出てきて泣きました。エグめの死体や内臓とかは平気だけど虫は無理であった。見終わったらいよいよカジノロワイヤルかな。そのあとファンタビだな。ファンタビは全く見ていないけどグリンデルバルドのグッズは買ったりする。くじも引いた。スネイプ先生ファイルは妹にあげた。



フォラー博士の幻覚を見まくってTwitterでは最近そんな話しかしていないです。ていうかTwitterじゃなくなったんだっけ。





以上今回は感想ブログでした〜〜。

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