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近年、サブカルチャー の世界において、イラスト を描いている者も「絵師」と呼ばれていることがある。主に作品を鑑賞する側から敬称 の1つとして使われる言葉であり、先述の日本画家などと同じく「技能に長けた者を意味する『師』」が用いられていることからもその側面をうかがい知ることができる。 よって絵師自身が「絵師」と名乗ることはほとんどなく、「絵描き」「絵師の中の人 」などと自らを呼んでいることが多い。
漫画、アニメ、ゲームなどにおいて、イラスト(グラフィック)は時にシナリオなどよりも重要視される要素である。 そのため美麗な絵を描く漫画家 やアニメ・ゲームの原画家は「画家」としての固有のファンも獲得するようになり、彼らの描く1点もののイラストやイラスト集の書籍が大量に流通するようになった。
また、趣味 や同人活動 の一環として漫画などの二次創作物 やオリジナルのイラストを描いて公開している者も多数存在する。 インターネット が普及すると、彼らは作品をウェブサイト などで非常に簡易な手順で全世界に向けて公開できるようになった。 そのため、アマチュアでありながらネット上で多数のファンを獲得し、その実力を買われてゲーム原画師や漫画家、イラストレーターとして採用される、逆転現象といえる事例も多く発生した。
彼らの制作活動は従来的な「画家」のそれとは全く異質なものであった。すなわち、彼らの作品は従来の画家の作品とは異なり、紙や画布ではなくコンピュータグラフィックス が一次テクスト(最も原初的なテクスト)であって、オリジナルと全く同じものを無数に複製することが出来、それが(時に本人の意思と無関係に)インターネット上で流通しているのである。 加えて彼らの、作品に対する価値観は従前の芸術性や商業性ではなく、いわゆる「おたく 」文化という共通のサブカルチャーによるものを背景に持っており、ハイカルチャー としてのアートの業界とは無縁の存在であった(よって村上隆 は「絵師」として認知されていない)。
こうした、従来の「画家」「イラストレーター」という言葉では捉えられないような活動をする人たちを指す言葉として、「絵師(萌え絵師 )」が広く用いられるようになった。