年に一度の楽しみです

今年はラドゥ・ルプー



RADU LUPU PIANO RECITAL


プログラム


・ヤナーチェク:霧の中で


・ベートーヴェン:ピアノソナタ第23番 ヘ短調 op.57 「熱情」


・シューベルト:ピアノソナタ第21番 変ロ長調 D.960 (遺作)



アンコール


・シューベルト:ピアノソナタ第13番 変イ長調 D.664



かねてからこの方のリサイタルは行きたくて仕方がなかったんですね。

この機会を逃したらもう二度と見られないのではと。

思い切りました(笑)



行って良かった!



CDジャケットでは細身の「シュッとした」写真ですが

登場したルプーさんの第一印象は


「あ、ブラームスだ!」(汗)


ほとんど白髪、てっぺんが薄くなりあごひげをたっぷり蓄えた恰幅の良い初老の男性

ね、ブラームスそっくりでしょ?



で 演奏は


いや、演奏じゃないな、音楽だ!



大概の演奏家は「こう聞かせたい」 とか 「自分はこう表現したのだ」 とか

なんか恣意的な 悪く申し上げれば生臭さを少なからず感じますが

ルプーの出す音にそういったのは一切感じられません。

きこえるのはただ音楽



ザ・音楽 だけ



作曲家がどうたとか、そういうのでもなく

直接音楽と語らっているような。


だから 演奏が始まってから意外な声をききました。

最初「誰か私語しているのか?」と思っていたら 違った!

ルプーご本人が演奏に合わせてうなっていたんです。


初めて聴いた

グールド以外で演奏しながらうなる人

しかも生で!


その声が演奏を邪魔するでなく むしろ音楽とともにあるようで

この方、音楽と直で向き合って


音楽と語らっているんだな、と



もう「演奏家」とか「ピアニスト」とか そんな次元じゃなくて

他の演奏家と全く なんていうのかな



格が違う!   そんな感じ



お年を召してるのと(今年で65歳)長旅の疲れもあるからか

演奏のうえで多少アクシデントもあったようだけど(汗)


なんにせよ



自分が聴いた数少ない演奏会の中で

最高の時間を過ごせた一つだったと思います。


素晴らしい時間を提供してくださいましたラドゥ・ルプーさんに感謝を!


ありがとうございました。