ぶっちゃけると
チュート徳井さんにはずっとわだかまりがあった。
「ちょっとこのひと、なんなん!?」 なところ。
たしかヨシモトオンラインの番組だったと思うが
かつて芸人持参の「パソコン自慢対決」って番組があって
ある日ゲストに徳井さんが出演していた。
で番組に持ってきたパソコンの性能をひとしきり説明したあと
司会である先輩芸人が水を向けた。
「これ(徳井さん持参のノートパソコン)あったらなんもいらんやん。福田もいらんやん。」
すると徳井さんはこう答えたのだ。
「まあ福田は元々いらないですね。」 半笑いで
徳井さんは場の空気を読んだだけかもしれない。
しかし徳井さんの発言に引いた。
コンビの相方を必要ないと、しかも相方のいないところで発言するとは!
多少空気を壊してでもそこは否定して欲しかった。
自分が福田さんに傾いたのは「判官贔屓」があったのは認めざるを得ない。
当時の自分にはそれだけショックで、許せなかったのだ。
以来、チュートリアルの笑いに惹かれながらも
どうしても徳井さん個人へ思い入れることが出来なかった。
僅かずつではあってもわだかまりが溶け始めたのは、2007年も暮れになってからだ。
「ヨシモト∞全員集合」で各曜日担当MCがシャッフルトークして
福田さんと品川庄司品川さんとのトーク後徳井さんが
「福田のええところを引き出した品川にジェラシーを感じる」と言ったとき。
「なんだこの人、自分は『福田要らない』と言ったくせに。」と思いつつ
意外なコメントに虚を突かれた。
もしかしてこの人、言ってることと本音がよくずれるのではないか
特に福田関係で。
そしてしばらく徳井さんの動向に注目していたんだ。
どうも徳井という方は共演者の目があると福田さんにキツく当たるらしい。
今年正月の「ドリームマッチ」もそうだけど、フット後藤さんと共演しているときは特にそうだ。
しかし、二人が並んでいるときはなんとも表現しにくい柔らかな空気が周りに漂う。
漫才の出でセンターマイクにたどり着くまでに必ず福田さんをチラ見すること。
漫才中ずっと福田さんだけを見ていること。
バラエティなどでゲスト出演して福田さんが共演者や司会としゃべっているとき
真顔で福田さんを見ていること。
その表情が心配そうに、いや時には・・・
そして
少し前の「しゃべくり007」でのことだ。
その日ひな壇後列の四人有田さん、泰造さん、ホリケンさん、福田さんでしゃべくりが盛り上がってて
福田さんが元気に突っ込んで客席が大いにウケていたとき
パッと徳井さんにカメラが合った。
ほんの一瞬、わずか1~2秒くらいのことだ。
そのときの徳井さんの顔が!
こんなハンサムな人が本番でよくこんな顔がと思うほど
コワイ顔で福田さんのいる方向をにらんでいたんだ!
そりゃもうなにとも形容できないほど怖ろしい形相で!!
TVというはおそろしくも面白い。
どんな雄弁な言葉よりも美辞麗句がちりばめられた文章よりも的確に
一瞬の表情仕草をとらえてしまう。
それら表情から出演者の本音を正確に迅速に伝えてしまう。
「なんや、他の奴らと楽しくやりやがって。
俺がせっかくボケてんのに突っ込んでくれへんのか?」
それを見たとき、自分はもう徳井さんを許そう、そう思った。
笑いに厳しい徳井さんのことだ。
福田さんに今でも徳井さんは思うところがあるかもしれない。
でももうそんなことはどうでもいい。
徳井さんが福田さんをどう見てようが
このひとには福田さんが必要なのだ。
世界でたった一人チュートリアルのツッコミが出来るかけがいのない相方として。