今回「広島から戻る途中で京都に寄ろうか…」という話もずいぶん前からしていたのだけれど、ちょうど入れ違いで彼女が東京に用事があり、そんなこともあって「今回はまた会えないけど、秋とか冬とかになったら…」ということになっていたハズなのに。
……深夜に唐突な電話が、鳴る。
「今から泊めてもらいに行っていい???」
「いま、オレ、広島だよ。いま何処にいるの???」
「…晴海」
そしてまた彼女の声は、泣いている。いくら強がってみたって、それが僕にわからないほど希薄な関係ではないでしょうに。晴海は、かつて彼女が住んでいたことがある、場所。「東京での用事」は、たぶん弁護士との面会、だろう。
「そっか、そうだよね、忘れてた。でも声聴けたら安心した。もう大丈夫だよ。だから心配しないで。」
「あなたが心配しなきゃいけない子は別にいるから。大丈夫。わたしは。・・・あ、充電切れそう・・・・。」
そしてそのまま、彼女の携帯の充電が切れる。
大丈夫なわけがない。
心配しないわけがない。
でも、この状態ではどうすることも出来ないよ。もう、とっくに電車はないし、東京に戻る術がない。
昔であれば、おそらくすぐに車を走らせて、飛んでいったんだろうけれど・・・。
翌朝、予定より時間を早めて広島を出て、京都駅で東京から戻るハズの彼女を待ってみたけれど………さすがに出口もひとつじゃないし、見つけられずじまい。そりゃそうだよね。
携帯の充電はきっと、夜になってやっとなされるのだろう……。