時間は巻き戻らない。
でも、消え去るわけじゃない。
あの場所、この場所に、積み重ねただけの時間が宿り、思い出が残る。
でも、けっして、戻ることは、できない。
だから、今、この先に、もっともっといろいろな場所に、いろいろな思い出を、重ねていく、残していく。
そして、いつの日か、また、振り返ってそれを眺めてみればいい。
もう、あの頃の僕たちは、どんなに京都中を探しても、もういない。
そうだよ、みんな、もうそこには戻らずに、新しい道を、進んでいるのだ。
無くしたわけじゃない。それを抱えて、鍵をかけてしまって、それぞれの世界へ。
そして、いつか、笑って、話せるように。「あの頃は、楽しかったね」と。
だから、やっぱり、さよならを、しなければ……。
ちょっと哀しいけれど、また、いつか、会いましょう。
その時に僕が、心から笑っていますように……。

それにしても、この街は、そこかしこに彼女の痕跡が、残っていて、なんだかとっても苦しいね。