
休日的な休日。
まるで学生の頃に戻ったみたいな、緩やかな時間だ。
これは戦場に赴く前の、束の間の休息のようなものか。
仕事に向かう彼女を送り出したあと、クリームシチューを食べながら、なんだか妙に楽しかった一日を、振り返ってみたりする。
・・・ココロもカラダも穏やかな、休日。
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10時頃に起きて、のんびりと家で朝ごはんを食べる。
朝ごはんを用意するのは、僕の仕事だ。窓の外は雲一つ無いとってもいい天気。
「今日は久々の貴重な休日休みだから、一緒にいたいね。」
「でも、休みの日くらいは、人が多いところには行きたくないね。」
彼女とそんな話をしながら、計画するとなく計画していた一日の過ごし方。
・・・そういえば、ふたりで丸々一日を過ごす初めての日だ。
「化粧をしている女の子を、煙草を吸いながら待つ」なんて瞬間もまた、妙に懐かしいというか、とても不思議な気持ちになる。そういう当たり前のことも、なんだか新鮮な感じがして、ついつい微笑んでいる自分自身に、微笑んでしまう。
席を予約しておいた映画
が始まるまではまだだいぶ時間があるけれど、好天に誘われて昼過ぎに家を出て、気持ちの良い太陽を浴びながら近くの大きな公園
へと散歩に。
公園の入り口では、GWだからか、テントがたくさん並んでいて陶器市のようなものをやっていた。「そういえば家に箸置きないよね、箸置きを買おう」という彼女の提案に従って、ふたりで箸置きを探し回ってみたり。行き当たりばったりで過ごすそんな時間が、妙に心地良く感じられる。
公園にはなんだかとっても「普通の」家族がたくさんいて、芝生の上で遊んでいたり、ペットと散歩していたり、ランニングしていたり、バーベキューをしている若者たちがいたり、そんな幸せな空間と緑に囲まれて、その中で大きく息を吸う。そういえば、本来はこういうのが「暮らし」っていうものだったりするのかも知れないね、なんてことを感じながら。
ちょっと歩き疲れて公園のベンチで休憩。屋台で買った缶ビールで、乾杯。「結局昼から飲んじゃうね、でも太陽の下で昼から飲むビール最高!!」なんて他愛もない話をしながら、空を見上げると飛行機雲が綺麗に線を描く。
そこからまた、近くのシネコン
へとテクテク歩く。着いた頃にはいつのまにか随分と時間が経っていて、館内の喫茶店で煙草を1-2本吸ったら、上映時間になる。
映画が終わったら18時。
感想なんかをふたりで話しながら、ショッピングスペース
に向かう。
催し物広場でやっていた物産展なんかを眺めながら、家電エリアへ。家にはドライヤーがないから「ドライヤーを買う」というのが、今日のもう一つの目的。
・・・彼女のために買ったこのドライヤーを、いつか一人で眺める日が来るのか???なんてことは、とりあえず考えないことにしよう。
そこからまた家に向かってゆっくり歩く。
空を見上げると月が綺麗に見えて、そういえば、随分と長いあいだ空を見上げてみたりもしなかったような気がするなぁ、と変なところで幸せを感じてみたり。
次は、晩ごはん用の買い出しだ。
「晩ごはんを彼女が作る」というのは、彼女が主張した一日のテーマ。
ショッピングカートを押しながら、ふたりで買い物。そんな風景は、日常どこにでも転がっているような当たり前の光景だが、でもホントは当たり前のようで当たり前じゃない、たぶんとても貴重な時間なんだろう。
メインディッシュは、White Cream Stew。
先に作ってくれた酒のつまみをつまみながら、カウンターでビールを飲みつつ、料理を作っている彼女を眺める。
・・・そんな時間、彼女も幸せだと感じてくれているだろうか???
そうだと、いいな。
「おいしいね」といいながらふたりで食べて、そして、いつもの如くビールをいっぱい飲んで、気付いたらもう真夜中。
歩き疲れて、そして飲み過ぎて、いつのまにかソファーで寝てしまった彼女にタオルケットを掛けて、ありがとうを伝える。
「風呂入って化粧落としてから寝なさい」なんて何度言っても、一度寝たらまず起きないのは、なんとなくもうわかっているから、たまに様子を伺いつつ、僕は後片付けをしたり、風呂に入ったり。
・・・そんなこんなで、幸せな一日が終わる。