第37話「空港へ」
帰国の朝が来た。さぁ、帰るぞ~。
やっぱり寂しいなぁって思いながら顔を洗う。
ふと鏡を見ると顔が黒い…それもちょっぴりゴーグル焼けしてる…
ひえ~今まで使っていたファンデーションの色が合わないよ。もう一つ黒い色買っておけばよかったってくらい焼けてました。
あんなに日焼け止め塗ったのにねぇ。ま、これも思い出さ。
さてさてほんとにお別れだ。
寂しいけど荷物をバスまで運び込む。で、バスに乗車。
次のセッションも参加のちゅーちゃん、からこちゃん、にき君、うめちゃん達に見送られてバスは出発。道は順調に進み一時間半ほどで空港に到着。
ここからまた空港の中まで荷物運ぶのか、ちょっと疲れる~って思っていたら、外国人の女性が人の荷物にカートをばんばんぶつけて何か言っていた。
え?じゃまなのかな?って思っていると
「ワン、ワン・・・」
って何か言ってるよ。
「何だよ~英語わかんね~よ」
って言っていたらカートを置いてどこかへ言ってしまった。
なんだったんだろ?ってキョトンとしていたら、
「このカートを1ドルでどう?って言ってたよ。」
って側にいたますお君が教えてくれた。
そうか2ドルのカートを1ドルで商売するつもりだったのか。でも置いていったということは、タダでいいのかな?ラッキーラッキーおかげでタダでカートを借りれちゃいました。
さぁ、デルタ空港にチェックインだ。
カウンターの女性は当たり前だが外国人さん。
とりあえず航空券とパスポート見せておけば大丈夫だろう。
あ!でも帰りも成田空港で伊丹空港行きに乗り換えるんだけど、荷物は行きの時みたいに直接到着空港まで送ってもらいたいね。できるのかな?
ここではじめて英会話の本を活用したよ。
「I’d like to check this bag to my final destination Osaka(最終目的地の大阪までこの荷物を運んでください)」
発音悪いがなんとか本を見せながら言ってみる。通じたかな~?
どきどきしてると「O.K!」って荷物に
「OSK(きっとosakaって意味だと思う)」
ってかいたタグを貼ってくれた。よかったよかった。しかし今から帰るっていう時になって初めてまともに英語を話したね。
さあ、チェックインもこれで無事終了!
と思っていたらカウンターにいきなり電話がかかってきて、カウンターの女性がパソコンを操作しながら何か喋りはじめた。
なんだろっ??て思っていたら体の大きな黒人さんが私の荷物をカートに載せてどっかに運ぼうとしている。
え?え?え~?
荷物って普通カウンターの後ろのベルトコンベアーで運ぶものじゃないの?
隣でチェックインしてる人のは後ろコンベアーに乗せてるジャン!なんで?
びっくりしてると、同じカートに、2つはなれたカウンターでチェックインしていたがちゃの荷物も載せはじめた。
カウンターの女性が英語でなにか言ってる…ぜんぜん分からん。
するといきなりいろんな言葉が書いてある下敷きみたいなボードを見せられた。
「ジャパニーズ」って女性が指差した所を見ると、
「この質問に正直に答えてください。」
って日本語で書いてあった。
質問内容は…
実はあまりに急なことでびっくりしてあんまり覚えてないんだけど、荷物は常に自分の管理下にあったかどうかって質問だったと思う。
「YES」
って答えるとがちゃがいるカウンターに行くように案内された。
行ってみると日本語が喋れる女性がやってきて説明してくれた。
「コンピューターがランダムにお客様を選出して、選ばれた方の荷物はセキュリティーチェックにかけることになってます。荷物についていってください。」
だって。
なんと不幸なことに私とがちゃが選ばれてしまったみたい…
ちょっと緊張しながらカートを運んでいく黒人さんについて行った。
しかしこの黒人さんガタイが超でかい!はっきりいってこわ~い。
がちゃとも「こえ~よ~」って言ってたら、
「かもーん♪フンフフン」とかいって鼻歌など歌い始めた。
みかけによらず、ずいぶんフレンドリーな黒人さんなのね。
イヤここで油断させる作戦かもしれないぞ!気をぬくな!!びくびくしながらついていった。