私が見た映画たち -2ページ目

私が見た映画たち

映画は好きだが、時間もお金もない私。

それでもめげずに見てきた映画たち。

ホメたりけなしたりと忙しい…

本ブログがキッカケでここに載った映画たちのいずれかに興味を持っていただければ、幸いに思います。

2032年。人とサイボーグ、ロボットの共存化が進んでいた。

そんな中、少女型ロボットガイノイドが所有者を惨殺して、その後、自壊するという事件が続発した。所有者の中に公安関係者や政府高官も含まれていたことから、公安九課が捜査に乗り出すことになった。捜査を進める中、バドーは頻繁に何者かの電脳ハッキングに見舞われるようになる…


押井守の作品は初めて見たが、大まかな印象としては「無国籍」

随所に「和」が散りばめられているが、そうすればするほど「無国籍」が際立つのがフシギ。

画は恐ろしいほど緻密。が、それだけにガイノイドたちの端整な不気味さが際立った。終盤、大男のバドーが暴走した裸のガイノイドたちに追いかけられるシーンは本当に怖かった。

自壊するときのシーンも人間で言えば五臓六腑が飛び出すみたいで何気にスプラッターかもしれない

正直言って、私には理解できない映画だった。が、ある問題提起には心挽かれた。

「なぜ人は人形を美しく精巧に作るのだろう?」

人形には昔から魂が宿りやすいと言われている。「人の形」をしているからだ。


今は2013年。この映画の舞台となる年代まであと19年。

本当にこんな世界になっているのだろうか?人間の大半が義体化(サイボーグ化)しているのだろうか?だとすると飽きれば姿を変えることも自由自在。望めば永遠に生き続けることも可能なのだろう。

そして、好きなときに死ぬことも可能なのか?たやすく生き返ることも可能なのか?


私は「人はいつか死ぬのがいい」と思う。


イノセンス スタンダード版 [DVD]/押井守,大塚明夫,田中敦子
¥3,990
Amazon.co.jp


時は五代将軍綱吉の時代。徳川の治世は最盛期を迎えていた。

側室伝兵衛との間に娘の松姫も授かり、徳川は安泰だと思われていた。

「お腹さま」である伝兵衛に対抗すべく御台所・信平は側室候補として京都から一人の公家を呼び寄せる。

貧乏公家の出身である右衛門佐はその才覚と美貌で巧みに綱吉に取り入り、有功以来空席となっていた大奥総取締役の地位を手中にする。

綱吉の父、桂昌院と大奥総取締役・右衛門佐の間で大奥での主導権争いが激化する中、綱吉の一人娘である松姫が急死。松姫の死で大奥での主導権争いは更に激化し、綱吉自身も後継者を産むことに専念させられ、政治から遠ざけられてしまう。それでも一向に懐妊の兆しはなく、陰謀渦巻く大奥の中で綱吉は次第に孤独と不安を募らせていく…


綱吉はいわゆる魔性の女なのだろう。

母のように慕っていた側用人牧野の夫を寝取り、息子までも毒牙にかけ、結局二人とも死に、牧野自身も気鬱で隠居してしまった。一つの家を崩壊させてしまったのだ。

信平もあまたいる側室たちもそして、右衛門佐も吉保も彼女の毒気にあたったのだろう。

が、魔性の女というものは周囲ではなく自分自身をも不幸にする。

一人娘を失い、美貌で聡明でありながら政治から遠ざけられ、努力しても懐妊の兆しはなく、自分は何のために生きているのか?と問い続けた日々であったのかもしれない。


20年近い歳月の流れの中で登場人物たちを惜しげもなく老醜をさらさせている。

(でもチラリと見えた菅野美穂の背中の肌のつやはあれは初老の女のもんじゃないぞ~)

お互い若くもない綱吉と右衛門佐、老いの身を恥じて必死で逃げる綱吉と一世一代の夢だと言って必死で追いすがる右衛門佐、美しいというより壮絶だった、でも醜悪ではない。


右衛門佐が言っているように「子をもうけることだけが、男と女ではない」

そう…そうなのだ。だが、高い身分の人間たちは、自分の気持ちよりも後継ぎをもうけることを優先させなければならないのだ。心から愛している一人の異性との愛をまっとうすることも許されない。

家光と有功のように…


大奥 ~永遠~ [右衛門佐・綱吉篇] <男女逆転> 通常版 [DVD]/堺 雅人,菅野美穂,尾野真千子
¥3,990
Amazon.co.jp



周囲を湖で囲まれているゆえに「浮城」と呼ばれている忍城(おしじょう)。

城主成田氏長のいとこ長親は武勇も智謀もない「でくのぼう」だが、なぜか他人から好かれ、「のぼう様」と呼ばれ、領民から親しまれていた。


天下統一目前の豊臣秀吉は最後の仕上げとして、関東最大の勢力北条攻めに取り掛かっていた。

豊臣軍に抵抗すべく北条氏は領土の支城の城主たちに戦に参加するように通達を出した。

忍城城主氏長は北条からの要請に応じるが、実は豊臣に内通するつもりで、それ故に豊臣の使者が来たら戦をせずに城を明け渡せと言い残して小田原に向かう。

が、豊臣方の使者の長束正家の人を見下した傲慢な態度にカチンときた城代の長親は「戦いまする」と返答する。最初は長親を諌めようとした重臣だちだが、実はカチンときていたのは彼らも同じだったので、一同は戦う決意を固めてしまう。最初は反発していた領民たちも、戦をすると決めたのが長親だと知るやゲラゲラ笑い出し、呆気にとられている丹波に対し「のぼう様が決めたことならしょうがない」と共に戦う決意を固める。

予想外に手こずる忍城攻略に業を煮やした三成は城を水攻めにする。忍城全体が絶望に包まれる中、長親は「水攻めを破る」と言い、武器も持たず兵も連れずに舟で石田方へと向かっていく。

「のぼう様」のとんでもない奇策に敵も味方も驚き笑う…


野村萬斎の「陰陽師」以来8年ぶりの映画は、前作のイメージとは似ても似つかない「でくのぼう」のお殿様。

が、よく見ると時折見せる目つきは鋭く、ただの「でくのぼう」ではないことを伺わせる。

確かに、切れ者というわけでもなく、幼馴染の丹波のように武勇に優れているわけでもない、が、人の上に立つ人間としての器量がある愛すべき「でくのぼう」なのだ。

彼の最大の智謀は「人を信じる」ということだと思う。

水攻めを破った百姓を「ここにも利に転ばぬ者がいた」と感動し、殺さず解き放った石田三成ものぼう様と違った意味で人の上に立つ器量のある人間なのであろう。

ただ、人に良さを理解されにくいが…


のぼうの城 通常版 [DVD]/野村萬斎,佐藤浩市,榮倉奈々
¥4,095
Amazon.co.jp

新婚なのに早くも倦怠期ムードが漂っている大木信義と咲の夫婦。というのも長い同棲生活の末に成り行きで結婚したのだった。早くも炊飯ジャーが行方不明でそれが原因でモメている二人。近所のデパートに行った咲は行方不明の炊飯ジャーを持っている怪しげな男とすれ違い、追いかけるが見失う。そのデパートで占いを商売にしている女に「地獄ツアー」を勧められる。信義と二人、デパート屋上のバスタブに引きずりこまれた咲は地獄旅行へと出発する…


地獄ツアー?

地獄って死んだ人が行くところで、しかも悪いことした人が行くところじゃないの?

そういう疑問はさておいて、結構ツアーに来ている人たちが多いのにオドロキ。

地獄ってそんなに手軽に行けるところなのか?

しかも、何で会社の同僚までいるわけ?


地獄には大きく分けて三種類のタイプがいる。

赤い人と青い人と普通の肌色の人

赤い人は素晴らしい芸術作品を作るが、すごく怒りっぽくて生きていたときのことを皆忘れてしまっているそうだ。青い人は比較的普通の人。肌色の人は色々なところを知っていて、しかも、地獄と現世を自由に行き来できる。

どういう違いで分かれるのだろう?


赤い人たちに追いかけられているところを助けてくれた青い女の子ヨシコと親しくなった信義と咲。

彼女の弟たちも加わって楽しい時間を過ごす。が、もう二度と会えない。今度地獄に行ったら、青い人か赤い人になって戻れなくなるからだ。

別れるときに「いつか、私たちを産んでね…」ヨシコに言われる咲。

やはり、現世に生まれる日を待っているんだ…ホテル「いいじま屋」のいいじまのように。


今までシリアスな作品への出演が多かった竹野内豊。コメディー初挑戦だというが、奇をてらわずに淡々と演じているのが却ってよかったような気がする。


このキテレツな旅行が彼らに何らかの変化をもたらしたのか、ラストではデパートで仲良く炊飯ジャーを選んでいる二人。

後味がよく、見た後、ほっこりした気分になれた。


地獄篇ということは、天国篇でもあるのだろうか?


大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇 【DVD 】/竹野内 豊,水川あさみ,樹木希林
¥4,935
Amazon.co.jp

カーラは多重人格(解離性同一性障害疾患)に対して懐疑的な精神科医。それを利用して罪を逃れようとする容疑者の嘘を悉く見破ってきた。そんなある日、同じ精神分析医の父親からある患者に会ってくれと頼まれる。デヴィッドと名乗る車椅子に乗った患者はおとなしい青年だった。が、診察中にまったく別人のようにぞんざいな口調になり、自分はアダムだと名乗り、車椅子から立ち上がりさえした。

例のごとく芝居だと思っていたカーラだったが、芝居だと立証しようと調査を進めていくうちに説明がつかない事実が次々と浮かび上がっていく…


災難にあっているのはいずれも神を信じない人たち。

カーラは夫を強盗に殺されたのだが、それ以来、カーラの父親と娘は信仰心を失った。が、当のカーラは信仰心を失っていない。

神を信じないと無事には過ごせないと言わんばかりの内容に、キリスト教の傲慢さが透けて見えるような気がした。

何も悪いことしていない父親が強盗に殺されたという悲しくやりきれない思いをした幼い娘が神を信じなくたっておかしくないのに、彼女を救おうとしなかった呪術師のばあさんはひどいと思った。

胸糞悪い内容の映画だったが、人格交替が起こる瞬間のジョナサン・リス・マイヤーズが見せるあの表情とリアクション、違う人格をきちんと演じ分けた演技力は素晴らしいと思った。彼の演技力なしには成り立たなかった映画だろう。


シェルター [DVD]/ジュリアン・ムーア,ジョナサン・リス・マイヤーズ,ジェフリー・デマン
¥3,990
Amazon.co.jp

眼科医のベンは妻ハンナと娘のサム(サマンサ)と平凡ながらも幸せに暮らしていた。

旅行に出かけたハンナとサムが事故で重傷を負い、ハンナは容態が急変して亡くなるが、サムは奇跡的に一命を取り留める。が、意識を取り戻したサムは著しく混乱する。ハンナの葬儀の日、サムは「私はあなたの妻のハンナ」だと信じがたいことをベンに告げた…


タイトルからもわかるように、東野圭吾のベストセラー小説「秘密」が原作となっている。

既に映画化もドラマ化もされている作品なので見る前からストーリーは見当がつく。

欧米だからなのか、ハンナとサムの親子仲の悪さが強調されている。見ようによっては、ハンナにとっては夫、サムにとっては父親であるベンを取り合う女同士に見えなくもない。

最初のうちこそ戸惑っていたが、やがてサムの身体のハンナは二度目の青春を満喫するようになる。

そんなハンナにベンは嫉妬するようになる。端から見れば、過保護親父の狂態のように見える。

やがて、徐々にサムが現れるようになり、ハンナは自分が消えるときが近いのを悟る。サムとして過ごすことを余儀なくされることになったが、生前は理解できなかった娘の気持ちを理解したハンナはビデオで娘にメッセージを遺し、サムもそれを受け止め、母娘はようやく互いの気持ちを理解する。

酷評している人も多かったが、私はそれほど酷い出来だとは思っていない。

欧米ならではの特色も出しているが、原作の味は損なわれていないと思う。


秘密 THE SECRET [DVD]/デヴィッド・ドゥカヴニー,オリヴィア・サールビー,リリ・テイラー
¥4,300
Amazon.co.jp

阪神淡路大震災発生の同日、関西の某県警では県警幹部の一人である不破警務課長が失踪した。

事が公になれば県警を揺るがす大問題に発展するのは必至。不破の直属の上司である県警№2の冬木警務部長は緘口令を敷く。幹部らが捜査の算段をする中、叩き上げの藤巻刑事部長はキャリアの冬木より先に真相を突き止めるべく、独断で捜査を進めていく。

出世、退職後の天下り先など幹部たちの思惑と駆け引きが絡み合う中、不破の失踪は思いがけない方向へ転がり始める…


ストーカー殺人事件で、習志野警察署が自分たちの慰安旅行のために被害届の提出を一週間遅らせ、そのために2人も殺されたという不祥事が話題になっているときだけに、私的にはタイムリーな作品であった。

不祥事で一番まずい善後策は隠蔽だ。隠蔽したことがわかれば更に悪い事態を招き、負のスパイラルに陥る。わかっていながらどうして隠蔽は繰り返されるのだろう?


人の口に戸はたてられない、まして、女性なら尚更であろう。

緘口令を敷いたって幹部たちの妻たちの間では不破の失踪は周知の事実となっており、そればかりか、夫たちが掴んでいない事実まで知っている。そのことを知った冬木は妻たちの情報網はあなどれないと感じ、外部への情報漏えいにつながらないかと心配する。

が、その情報網のおかげで一つの突破口を見つけることにもなる。

そして、妻たちにも夫たちと同様、様々な思惑や駆け引きが絡み合っているのだ。

夫の地位によって入る官舎のランクが決まってしまうという状況では、夫の出世は妻たちにとっては死活問題であろう。


ラストで不破の妻が言っていたように、不破の安否よりも自分たちの立場や出世の方が大事だったとは情けない。不破の安否を心から案じていたのは、かつて不破からささやかな恩義を受けた警備部長だけだった。

もし、不破の安否を心から案じて捜査をしていたのなら、もっと早く真相に辿り着けていたのではないか?


が、横山秀夫作品は最後の最後まで気が抜けない。とんでもないどんでん返しが待っているのだ。


―真相は見えた、が、正義は見えない―

冬木がこの先どうするつもりなのかは、何も示されていない。


震度0 [DVD]/渡辺いっけい,上川隆也,國村隼
¥3,990
Amazon.co.jp

「15年前、自殺として処理された女教師の死は他殺だ」

警視庁にもたらされたタレ込み情報により新たに捜査本部が結成され、藤原刑事部長の命令で溝呂木が捜査の指揮を取ることになった。

そんな中、溝呂木には三億円事件で時効を迎えてしまった苦い記憶が蘇る。

時効まであと24時間。

「ルパン作戦」というキーワードが浮かび、その作戦に関わっていた当時の学生たちや同僚だった教師の取調べをする中、思わぬ真相が浮かび上がる…


場面の2/3は取調室という息詰まるような空間で繰り広げられる上質なミステリーだと思いました。

なぜか被害者の女教師のこととなると口を噤むかつての学生たち。

土壇場で二転三転する15年前の事件の真相。そして、情報提供者は誰なのか?なぜその人物はその事実を知っていたのか?という謎。

そして、事件は15年前の三億円事件の時効の日に起こっていたという奇妙なシンクロ。

思いがけない情報提供者の正体と事件の真犯人、そして、想像もできないような動機。

映画館で上映してもいいくらい、完成度の高い作品だと思いました。

上川隆也さんと横山秀夫って相性がいいようですね。

水谷さんって監督さんともよく組んでいますね。


ルパンの消息 [DVD]/上川隆也,佐藤めぐみ,岡田義徳
¥3,990
Amazon.co.jp

明石藩主・松平斉韶(なりつぐ)のあまりの暴君ぶりを幕府に訴えた直訴状と共に、明石藩江戸家老間宮図書が切腹した。

斉韶は将軍家慶の異母弟。近々、老中就任も決まっており、将軍にも斉韶を処分する考えはない。

が、斉韶の老中就任に危機感を募らせた老中・土井利位は御目付・島田新左衛門に斉韶暗殺の密命を下す。

新左衛門の甥、新六郎をはじめとする腕に覚えがあり命を捨てる覚悟のある男たちを集め、暗殺計画を密かにかつ入念に練り上げていく。

だが、かつての新左衛門の同門で現在は明石藩御用人となっている斉韶の腹心・鬼頭半兵衛も斉韶暗殺の計画を察知し、斉韶を守るべく周到な準備を進めていた。


血と肉と硝煙の匂いさえ漂ってくるような、まさにがっつりとした肉食系の男たちの映画。

江戸末期、多くの人々は倦んだ平和というものにウンザリしていた。あまりにも平和が続いていたので、平和のありがたみを忘れてしまったのだろうか?

戦うために生きてきた武士も平和な世に武術よりも人々の間を立ち回る才覚の方が要求されるようになった。

彼らは、死に場所を求めていたのかもしれないと思った。武士として生まれながら、戦のない世ではその武術の使い道もなく悶々と生きて死んでいくだけの人生より、武士として華々しく死にたいと望んだだけなのかもしれない。

彼らには大義名分も武士道も美意識も関係ない。目的は、暴君松平斉韶を殺し、それを邪魔する者も殺すだけ。また、目的のためなら手段を選ばない。

そして、斬って斬って斬りまくる中、生まれて始めて自分が生きていると実感したのかもしれない。

若く時代劇経験も浅い若い俳優が大半を占める中で、役所広司や松方弘樹、市川正親といったベテランたちが引き締めていると思う。

またヒーローには強い悪役が必要だ。その意味で松平斉韶役の稲垣吾郎は素晴らしかったと思う。生きるか死ぬか、次々と自分を護ってくれる者たちが刺客に殺されていく中「人生で一番楽しい日」と目を輝かせている斉韶。彼もまた泰平の世に倦んで、恵まれた自分の境遇にすら倦んでいたのかもしれない。

そして、彼もまた生まれて始めて自分が生きているという実感を得たのかもしれない。


十三人の刺客 通常版 [DVD]/役所広司,山田孝之,伊勢谷友介
¥3,990
Amazon.co.jp

遂に"俺"が本物の宗野正雄でないことを知った礼子先生に問い詰められて、もはや誤魔化しきれないと悟った"俺"は本当のことを礼子先生に話してしまう。

礼子先生は警察に通報しようとするが、"俺"を守ろうとする哲と直に阻止される。"俺"が出て行った後、哲と直は"俺"を追い出した礼子先生に腹を立て彼女も追い出してしまう。

哲と直は「ラッキー」という名前つきの首輪をつけた迷い犬を拾い、自分たちで飼おうと考え、"俺"に飼ってもいいかと聞きに来る。犬の様子を見た"俺"は飼い主が探しているはずだから飼うのはダメだと言う。双子たちが納得しない様子を見て、"俺"は本当の飼い主探しに乗り出す。

ラッキーがいなくなり双子たちは学校を休んで探しに行く。双子たちが学校を休んでいるのをてっきり"俺"がどこかに隠したと思い込んだ礼子先生は"俺"に電話をして、"俺"は初めて双子が行方不明になったことを知る。双子たちはなかなか見つからず焦る礼子先生と"俺"。"俺"は礼子先生に何で双子たちが自分のような人間をステップファザーに仕立てあげてでも誰にも頼らずに頑張っているのかわかるか?と問う。

あんな身勝手な親でもその親たちが戻る場所を守るためなのだという。その気持ちを尊重するために"俺"は自首するから双子たちを守ってやってくれと頼む。疲れ切った双子たちが犬と一緒にベンチで寝ているのを見て安堵した"俺"は双子たちをドスのきいた声で叩き起こし「心配したんだぞ!」と怒鳴る。初めて"俺"は双子たちを自分から抱きしめる。脇坂刑事の妻の情報でラッキーの飼い主が見つかり、"俺"と礼子先生、双子たちはラッキーを飼い主のところに連れて行く。実は、その女性はラッキーの本当の飼い主ではなく、本当の飼い主である彼女の知人が外国に行っている間、預かっていたのだ。が、ラッキーは元の飼い主の所から逃げてしまい、この女性の家に行こうとして迷い犬になってしまっていたのだ。そんなラッキーを見た元の飼い主は「ラッキー、この家の子になるか?」とラッキーの気持ちを尊重してくれた。

これから自首するという"俺"に礼子先生は「許せないけど、認めます。少なくともこの子たちとあなたを引き離すのは間違っていると思うから」彼女は秘密を守る決心を固めた。そんな彼女の後姿に会釈をする"俺"。

礼子先生も交えて食卓を囲む"俺"と双子たち。「ボクたちのステップマザーにならない?」という双子たちに

「契約しますか?違約すると1億円取られますけど」と言う"俺"。


孤独に生きてきた"俺"に初めて芽生えた感情。

「愛おしい」「守りたい」

新たに芽生えた自分の感情に戸惑い、困惑し、"俺"にこんな感情が芽生えるはずはないと否定し続けてきたけど、双子が行方不明になり無事なのを発見し、初めて自分から双子たちを抱きしめたとき、"俺"は自分に芽生えた感情を認めたのだと思う。

そして、かつて父親に捨てられた"俺"だから、双子たちが誰にも頼らずがんばって家を守っている気持ちがわかるのだ。

そんな彼らの思いを守るために、"俺"は自分のすべてを犠牲にする自首をしてまで彼らを守ろうとしたのだ。

見返りを求めない無償の愛。


確かに泥棒が親代わりをしているなんて間違っているという礼子先生の考えは正論かもしれない。

が、自首してでも双子たちの思いを守ろうとする"俺"の双子たちへの無償の愛を見せ付けられ、親であろうとなかろうと本当に愛してくれる人にそばにいてもらいたい、双子たちには誰より"俺"が必要なんだってことを悟り、何より双子たちに愛する者と余儀なく引き裂かれる悲しみを味あわせてはいけないと、双子と"俺"と共に秘密を守る決心をする。担任教師まで引き込んだら今後、心強いかもしれないが、礼子先生のおっちょこちょいが別の危機を招くかもしれないという心配、なきにしもあらず…


脇坂さんの奥さん、旦那さんより刑事の素質ある、旦那と立場変わったらどうだ?