私が見た映画たち

私が見た映画たち

映画は好きだが、時間もお金もない私。

それでもめげずに見てきた映画たち。

ホメたりけなしたりと忙しい…

本ブログがキッカケでここに載った映画たちのいずれかに興味を持っていただければ、幸いに思います。

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古代ローマ帝国。斬新なテルマエ(浴場)で有名になったお風呂技師・ルシウスはハドリアヌス帝からグラディエータのためのテルマエを造るように命じられる。グラディエータの浴場のあまりにも粗末な有様に何とかしたいと思うが、アイディアが浮かばない。思い悩んでいたら、またもや現代の日本にタイムスリップしてしまった。そこは、力士の浴場であった・・・

ルシウスが相変わらず古代ローマと現代の日本を行き来している間に、ローマでは平和国家作りを目指す皇帝とローマ帝国の拡大のために戦争を推進する元老院の対立が激しくなっていき、ルシウスもその争いに巻き込まれていく。
前回、悪役のイメージが強かったケイオニウスだが、今回は勇猛果敢で部下からの人望も厚い人物という面に重点が置かれている。相変わらずの女好きだが・・・

それにしても、このケイオニウスを称えるときですら、「女好きだが・・・」という枕詞は欠かせないのか?
まあ、この人、本当に女好きなんだろうな・・・重病になったケイオニウスはルシウスに「最後の頼み」と言って、馴染みの女に手紙を託すのだが、それが・・・ルシウスが両手で持ちきれないくらいの量で・・・でも、この人、女にはマメで優しい人なんじゃないか?

そして、このケイオニウスの女好きが元老院の陰謀を打ち砕く結果となる。ルシウスの友人が女たちに「おまえたちはケイオニウス様に口説かれたか?」と問い、女たちが否定すると、「それは絶対おかしい。ケイオニウス様が女を口説かないはずがない」
ケイオニウスって本当に根っからの女好きと思われてるんだな。

時代を超えた者同士は結ばれてはならない宿命なのだろうか?
ルシウスの運命を知った真美は何とかそれを阻止しようとするが、ルシウスに諭される。

笑えて、ホロリとくる映画だった。
程よい温泉につかった後のようなほっこり感。
売れない「二流小説家」赤羽一兵のもとに出版社経由で一通の手紙が届く。
差出人の名は呉井大悟。12年前の猟奇連続殺人事件で死刑判決を受けている死刑囚だ。
面会に行った赤羽一兵に呉井は自分の告白本の執筆を依頼する。逡巡している一兵だったが、高校生の姪から「"一流"になるチャンスだ」とハッパをかけられたこともあって引き受けることにした。引き受けた一兵に呉井は、手始めに自分の熱狂的な信者の中から自分が選んだ三人の女性と自分との愛の物語を書くように言う。一兵は三人の女性を取材したが、一兵と会った後、その女性たちは惨殺された。それは、12年前の呉井の手口とそっくりだった。
模倣犯か?それとも、12年前の事件の犯人は呉井ではなかったのか?

才能はあるのに優柔不断ゆえに婚約者にも逃げられた主人公、赤羽一兵に上川隆也ハマリ過ぎ。また、シリアルキラー役の武田真治の怪演がいい。その分、主役の上川隆也が食われてしまうようなところもあったが。案外、この二人、キャストを逆にしても面白かったかもしれない。
赤羽一兵が武田真治で、呉井大悟が上川隆也。

面会室で渦巻く心理的な駆け引き、罵倒、共感etcを経て、二人は心理的な距離を縮めていく。ここらあたりの緊張感は役者二人の力量にかかっていたのでさすがだと思いました。

呉井大悟に殺された被害者遺族も何だかワケありなのが多くて、コイツがやったのか?いや、コイツかもしれない・・・挙句の果てには、赤羽一兵まで疑ってしまった。


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出会ってすぐ結婚したので、互いのことをよくわからないまま、田舎で新婚生活を始めた若い夫婦。夫は無辜歩(むこ・あゆむ)、介護施設で働きながら小説を書いている売れない小説家、妻は妻利愛子(つまり・あいこ)、動物や植物と会話が出来る少し身体が弱い女性。
互いを「ムコさん」「ツマ」と呼び合い、穏やかに田舎暮らしの日々は過ぎていった。ある日、ムコ宛に差出人不明の手紙が届き、二人の穏やかな日常が崩れていく・・・

ムコは満月の夜に小さな喫茶店で出会ったこれまで一面識もない女性に「結婚して下さい」と言い、彼女は「はい」と答えた。
相手の素性もよくわからず、売れない小説家であり、おまけに娘は身体が弱い。当然のことながらツマの父親は結婚に反対し、ツマは夫と手に手を取り駆け落ち同然に結婚。
案外やることが大胆なのだと思った。こういうときは女の方が思いきりがいいものかもしれない。
結婚生活の中で、ツマが子どもの頃、心臓の病気で入院していたこととか、ムコの叔母にあたる女性「ないねえちゃん」の悲しい話とか、互いのことをポツリポツリと話始めた矢先、ムコ宛に差出人不明の手紙が来て、ムコはそれを何日も開封せずにおいた。開封しなかったのは、誰からの手紙なのか薄々察しがついていたから読むのが怖かったのだと思う。が、遂に開封し、自分の過去にケリをつけるべく、ムコは東京に行く。ツマが読むであろうことを予測して、日記にすべてを書き残して。
ツマは「行かないで」と引き留めたい気持ちを押し隠して、夫を見送る。ムコが東京に行ってからツマは夫がもう帰って来ないのではないかという不安に駆られる。怖い満月の晩、ツマは月に向かって「ムコさんを返して下さい」と願う。ムコは帰ってきてまた日常が始まるが、ツマはムコに対し、東京に何をしに行ったのか、何があったのかを何も聞かない。日記のことにも触れさえしない。が、ムコはツマが日記を読んだのだと察している。
東京に行き、自分の過去と向き合い、相手にも過去に翻弄されるのを止めるように諭したことで、ムコはここが自分の居場所で、浮世離れして少し面倒臭い女性ではあるが大好きなツマが傍にいる生活が自分の人生なのだと認識したのだと思う。


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2074年、タイムマシンが開発されていたが、その使用は法律で禁じられていた。が、犯罪組織はタイムマンを悪用し、殺す標的を30年前に送り、待ち構えている処刑人"ルーパー"に殺人を請け負わせていた。2044年、ルーパーとして殺しを請け負っていたジョーの前に送り込まれてきたのは、何と30年後の自分。一瞬の隙で標的を取り逃がすという大失敗をしてしまった。ルーパーは処刑に失敗したら組織に消されてしまう掟だったので、ジョーは必死に30年後の自分を始末すべく追跡を開始する。

ネタバレ注意

この映画ではタイムパラドックス物では今まで禁じ手とされてきた設定を使っている。
現在の自分と未来の自分との「同時存在」だ。
従来のパターンでは、同時存在した途端に両方とも消滅してしまうのだったが、これは違う。現在の自分が未来の自分を殺すべく追跡するというあり得ない設定。
未来の自分は謎の人物"レインメーカー"の手先たちによって殺されるべくタイムマシーンで30年前に送り込まれるところだったが、逆に手先を始末して、自らの意思で30年前にタイムスリップする。妻の殺害を防ぐべく"レインメーカー"を始末するために・・・30年前と言えば"レインメーカー"はまだ子どもなのだが、彼にはそんなことは関係ない。顔も素性も不明な"レインメーカー"のわずかな手がかりを元に探索を続ける。やがて、"レインメーカー"を見つけた彼は始末しようとするが、子どもに情が移っていた現在のジョーは子どもと母親を逃がそうとする。が、追い詰められてしまい、現在のジョーには"レインメーカー"の未来が見えた。理不尽に母親を殺された悲しみと怒りから悪の道へと走る"レインメーカー"。そして、多くの人々をも不幸になる。この負の連鎖を断ち切るために現在のジョーは一番大切なものを諦めなければならなかった。


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天涯孤独な大学生の花は大学で一人の男性と出会う。が、彼は大学の学生ではなく講義だけ聞きにきている"ニセ学生"。交際をはじめた二人だが、彼は花に打ち明けたいことがあるという。

花の目の前で狼に変わっていく彼。彼はニホンオオカミの血を引く最後の生き残りの人狼「おおかみおとこ」だったのだ。それでも彼に対する気持ちは変わらない花。二人は都会の片隅でひっそりと幸せに暮らし始める。やがて花は妊娠し、雪が降る日、女の子を出産する。雪と名付けられた娘の出産の一年後、雨の日に男の子が生まれ、雨と名付けられた。二人とも父の血を引いて、人間と狼の姿に自由自在に変身できる。そんなある日、夫が突然に亡くなってしまう。

夫の突然の死に花は途方に暮れ、さらには人狼である子どもたちとこのまま都会で暮らしていくことは困難だと思い、田舎に移り住むことを決意する。田舎の住人に正体を知られることなく雪と雨は無事に成長していくが、人狼であるが故の重大な選択を迫られる日がやってくる・・・


物語りは花の娘、雪の回想という形で進んでいく。


女手一つで子ども2人を育て上げるのだって並大抵の苦労ではないというのに、ましてや子ども2人は当たり前の子どもではない。子どもで制御がきかない分、いつ狼の姿になってしまうかわからない、正体がバレてしまえば花も子ども2人も決して幸せには暮らせないのだ。


子どもの頃から活発だった雪、引っ込み思案で繊細な雨。

母とは違う人狼であるが故に迫る選択の時。

父と同じように人間社会で生きるのか、狼として生きるのか・・・

二つに一つ


雪はさまざまな「失敗」を経て、人間社会で同化する術を学び、やがて、自分の秘密を親兄弟以外の人間に初めて打ち明ける。彼は、雪のもう一つの「顔」を見てもたじろがなかった。

雨は、人間社会に馴染めず、狼として山で暮らすことを選ぶ。


いつかは来るときだとわかっていたが、ただ、花にとってはあまりにも早すぎた。

たった10年・・・

雨の選択を受け入れられない花は必死で山の中を雨を探して彷徨う。崖から滑り落ちて気絶した花は夢の中で夫と再会する。

「雨はもう自分の世界を見つけた」と花を諭す夫。


弱虫だった雨は逞しい狼となり、力強い遠吠えをする。それを聞いた花はようやく雨の選択を受け入れる。

雪は中学入学と同時に寮に入り、母親の許を離れる。


子どもたちは自分の意思で自分の道を選び、母親である花の肩の荷もようやく降りた。


夫に死なれたか別れたか、さまざまな事情でシングルマザーになり、男を作って子どもをほったらかしにしたり、捨てたり、殺してしまうような母親に、花の爪のアカでも飲ませてやりたいくらいだ。


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連続爆破事件が世間を震撼させる中、爆弾魔のアジトとおぼしき爆破現場で大怪我をおった一人の若い男が容疑者として逮捕された。

「鈴木一郎」というどう考えても偽名としか思われない名前を名乗った以外は黙秘を続ける男に対し、精神科医鷲谷真梨子が精神鑑定を担当することになった。

男を調べていくうちにいくつかの奇妙な点が浮き彫りになり、医者として興味をそそられた真梨子は乏しい手がかりを手繰って、男の過去を調べ始めるが、男の奇怪な前半生やいくつかの未解決の殺人事件の容疑者になっていることが判明し・・・


映画を見て初めて「脳男」というタイトルの意味がわかったような気がした。

彼の面倒を幼少期から見ていた医者が彼をそう呼んでいたのだ。

彼にとってはたぐいまれなる頭脳だけがすべてで、肉体は付録に過ぎない。

だから、感情もないし、痛みも感じる必要はないのだろう。


脳男に扮する生田斗真の端正な顔とまばたき一つしない無表情が一層不気味さを醸し出していた。


鷲谷医師がカウンセリングを続けてきた殺人犯志村が、社会復帰できることになったのだが、実は彼は彼女の年の離れた弟を無残に殺した連続猟奇的殺人犯で憎んでもお釣りがドッサリ来る相手。

彼が出所したらまた同じ犯罪を繰り返すであろうことは、ただ一人、脳男だけが見抜いていた。

そして、彼は"悪"に罰を与えた。

が、彼が罰を与えたのは、ただ"悪"なのではなく、この男が真梨子の善意を裏切ったからだ。

彼はそれが許せなかった。


彼をこれまで人間扱いした人は二人だけだった。彼のトレーナーだった伊能と真梨子だけだった。

伊能に対しては、山岳事故の際にザイルを切って自分を落とせという指示に背いて彼は伊能を助けた。彼が指示に背いたのはこれが初めてだった。

彼は自分を「人間」として扱ってくれた真梨子に対するお礼として、真梨子を裏切った志村を葬り去ることで、真梨子の将来をも守ったのだ。

彼のこの行動は一体何なんだろう?


異常者はどこまでいってもどんな手だてを講じようと異常者なのか?

殺すか、死ぬまで幽閉しておくしかないのだろう。


異常者には人権など必要ない。


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007シリーズ誕生50周年にして、通算23作目となる作品。

NATOが世界中に送り込んでいる諜報員のリストが入っているハードドライブが何者かに盗まれた。ボンドは取り返そうとしたが、任務に失敗し、Mの立場も危うくなった。更にMI6本部が爆破された。ボンドは僅かな手がかりを追って、遂に一連の事件の黒幕を突き止める。かつて、Mの部下で、上司であったMへの復讐の念に駆られた凄腕エージェントのシルヴァだった。一度はシルヴァの逮捕に成功したが、逃亡に成功したシルヴァは執拗にMの命を狙う。ボンドは自分の故郷にMを匿い、その地でシルヴァとの決着をつけようとするが・・・


現ボンド役のダニエル・クレイグがエラく老けて見えて驚いた。

思い出したのだが、ダニエル・クレイグ以降のボンドは、まだ我々がお馴染みのスタイリッシュで垢抜けた「ジェームズ・ボンド」になる前のボンドなのだ。

だったら、もっと若い俳優使えばいいのにとも思うが…


今回は今まで扱われていなかったボンドの過去にも触れている。

恐らくかなりの名家の息子だったらしいが、子どもの頃に、異様な状況で両親を失ったらしい。

それが、ボンドの人生に大きな影響を与えている。

ジェームズ・ボンドって本名だったのね・・・


Mのかつての部下であったシルヴァがMに対して持っている気持ちは、ただの憎しみだけではなくて、愛憎入り混じった、いや、歪んだ愛、彼女に対して母親のような感情さえ抱いていたのかもしれない。

それは、ボンドも同じであったのかもしれない。


Mの居室の外にいるミス・マネーペニーの過去がわかったのも収穫。

そして、新しいMの登場。お馴染みのスタイルへと近づいていく。


ってことは、あの青年は"Q"の若き日の姿か?


007/スカイフォール [DVD]/ダニエル・クレイグ,ハビエル・バルデム,レイフ・ファインズ
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1979年、反米感情渦巻くイランでアメリカ大使館が占拠され、52人の職員が人質となった。その際、密かに6人の職員が脱出して、カナダ大使の私邸にかくまわれていた。が、6人の職員が逃げ出したのが発覚するのは時間の問題で、この状況下で捕まれば公開処刑は免れない。

彼らを救出するための万策尽きた国務省はCIAの人質奪還のプロ、トニー・メンデスに協力を求める。

彼は映画制作の企画をデッチ上げ、ロケハンという形でイランに行き、6人を映画制作のスタッフとしてイランから脱出させるという奇抜な計画だった。極秘にハリウッドの協力を取り付け、SF映画「アルゴ」の制作がマスコミに発表され、「ハリウッド作戦」またの名を「アルゴ作戦」をスタートさせる・・・


結末は知っているが、ハラハラする展開だった。

唐突な作戦中止。中止の撤回。

輪が一つ外れても、すべてが破綻していた。

もし、カナダ大使が早くに音を上げていたら、もし、裁断された写真のつなぎ合わせがもう少し早く終了していたら、もし、滑走路のからの出発順が一つ後だったら・・・

どれか一つの「もし」が現実になっていたら、彼らの運命は違ったものになっていただろう。

それもとびきり悲惨なものに・・・


映画の都「ハリウッド」を擁するアメリカならではの映画のような荒唐無稽な救出作戦。

「ホラは大きければ大きいほど却って信憑性が増す」

一旦、大法螺を吹くと決めたら、中途半端は良くない、とことんやれってことか。

映画だってある種のホラなんだから。


近頃のアメリカ映画は金もケチされ、元気もなくなってきているように思えるのが寂しく思う。


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売れない漫画家ハルさんには、生真面目で仕事熱心なサラリーマンの夫がいる。ハルさんは夫を「ツレ」と呼んでいる。ある日、ツレが「死にたい」とつぶやき、病院に行った診断の結果はうつ病。

ツレに全く頼りきりだったハルさんは自分の不注意を悔やみ、まずはツレに仕事を辞めてもらおうとするが、ツレはなかなか聞き入れず、遂にハルさんは「会社を辞めないなら、別れる」と迫る。

会社を辞めたものの、生真面目なツレは昼寝をすることすら「世間様に申し訳ない」と言っている始末。ツレの病状は一進一退で、失業保険も期限切れとなり、ハルさんは自分が稼がねばと覚悟を決め、出版社に「ツレ(夫)がうつになりまして、そんなわけで仕事をください。何でもいいです」と直訴し、イラスト描きの仕事などを細々と始める。


うつ病の話というと何か暗くなりがちなものだが、この映画は深刻なテーマにも関わらず全体的に何かほんわかとした雰囲気があった。

それは主演のお二人が醸し出す雰囲気によるところが大きいのではないかと感じた。

が、やはりうつ病の話であるので、ハルさんのご両親が昔から知っている青年がうつ病で実家に戻り、理髪店を営んでいる自分たちのところで髪を整えた後に自殺してしまったり、今までマイペースで仕事をしてきたハルさんが仕事が増え、イライラしてツレに当たってしまい、ツレがバスルームで自殺をはかったりと、うつ病の深刻さを物語るシーンはある。

クレーム処理の担当部署に勤めていたツレは、その仕事の大変さがわかっているだけに、自分だけが会社を辞めてしまうことに酷く罪悪感を感じていたが、昔の同僚とばったり再会し、外資系であったその会社が日本を撤退して日本法人がなくなってしまったことを知り、「早く辞めて正解だったよ」と言われ、ツレが少しでも罪悪感から解放され、ホッとする思いだった。

ハルさんはツレの看病記録という意味あいもあって、ツレがうつになってからの日常を漫画にしていたのだが、自身もうつ病の経験がある編集者の一人に「あなたは今まで自分の仕事に納得していましたか?それは編集者にだって伝わるんですよ。読者アンケートなんて口実に過ぎないんですよ。自分が本当に表現したいものを書くべきです」ハルさんは世間で誤解されがちなうつ病というものを少しでも理解してもらいたいと書き溜めたものを編集者に持ち込んで採用される。今まで受身だったハルさんも生真面目一方だったツレにも新しい世界が開けたのではないかと思った。


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英国の元首相、アダム・ラングの自叙伝のゴーストライターの話を持ちかけられた一人の男。政治に興味のない彼はあまり気乗りしなかったが、強く勧められるのと多額の報酬に引かれて面接に行ったら思いがけず採用となった。前任者の急死で丁寧かつ仕事が早い人間が求められていた。

ラングが滞在するアメリカ東海岸の島で彼に取材をしながら、自叙伝を書き進めていく。が、次第にラングの過去に対する疑念が芽生え、更に前任者が不可解な死を知り、いつしか真相に迫ろうと深追いをしてしまうのだった…


ポランスキーほど沢山映画を製作していれば、傑作もあれば駄作もあるものだなと思った。

この映画に関しては、ポランスキー先生、ヤキが回ったか?って感じてしまった。

真相に辿り着く過程でご都合主義が目立つ。

大事な手がかりをアッサリとgoogleで検索できちゃったり…そういう秘密が人を殺してまで守らなければいけないものとは説得力に欠ける。

ピアース・ブロスナン扮するラングも裏で何企んでいるかわからない不気味な人間でそのお陰で何人の血が流されたのか?と思っていたが、あやつり人形の人形的人間で拍子抜けした。

このとおりストーリーとしては陳腐だが、陳腐なストーリーで緊張感溢れる雰囲気作りはさすがだと思った。結末はハッピーではないが、原稿が飛び散るシーンは妙に余韻に残る。


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