今回は橋をテーマに散文詩を創作しました。

 

目の前に開ける山際の岸辺
その両岸を隔てる深い渓谷
そこには谷間に架かる吊り橋がある
それは旅人の誰しもが立ち尽くす境域

 

 

この橋を渡るとどこに着くのだろう
前方に人影はなく後からついてくる声もしない
この橋の先には何があるのだろう
後戻りするのは後悔するし進む以外に途はない

 

静まり返る渓谷の吊り橋
この橋を渡ることは
隔てられた空間を移動し
刻まれてゆく時を越える旅

 

旅人はこの橋を渡る
還るべき空に還るために
戻るべき海に戻るために そして
自らの一歩を踏み出すために

 

旅をする人はひとりと歌う詩に 遥かな空と海の眼差し