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俺がいちばん大切なオンナの子は、そりゃあ、なんといってもリンボーさ。
凛という言葉が好きかどうかなんて関係ないよ。

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色がとっても白くて、温かい雪でできたような顔なんだよ。
瞳はもちろん彫像のよう。
彫像のまなざし、それがまなざしです。
ヴェルレーヌが、そう言わなかったっけ?
彼女が見ているものは誰にも見えないのさ。
それにハチミツを食べすぎたようなハスキー・ヴォイス。
どう、ステキだろ?

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彼女は、望んでいないのに、これから何度もレモンのような夜を迎えるだろう。

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俺が死んだ後、彼女は、何十年も生き続けることだろうね。
だから、俺は、今のうちから彼女にたくさんのおやすみを言っておくんだ。

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'Good night.'
'Good night.'
'Good night.'
'Good night.'
'Good night.'
'Good night.'
'Good night.'

φ
リンボー、おやすみ。
悲しいだろうけど、また、バニラのような朝がやってくるよ。
俺は君にたくさんのおやすみを言っておくよ。

φ
死んだ後に、ひと晩ずつ「おやすみ」を届けてくれるサービスってないのかな?
なぁ、リンボー。
あったら、かならず契約して死ぬよ。

φ
リンボー、おやすみ!
バニラのような朝がやってくるよ。
痛みまでもが甘くなるような朝がね。

φ
'Good night.'