風邪をひいた。ノドが痛い。咳が出る。熱っぽい。風邪だ。今日の営業先でも咳き込んでしまった。左の耳の下のリンパもいたい。僕の居場所を探さないでほしい。あっ、これは関係ないか。住所が、「耳のした」だったら素敵だな。熱燗を飲みながらカフカの『審判』を読んでいる。100ページを超えたところ。猥雑な描写のなーんて素敵なこと。メビウスの表と裏のような裏切りと裏切られ。黄色のワンピはウサギさんに食べられたんだってよ。僕の夕食が平穏であるようにあの子はいつも祈ってくれる。僕こそが祈っているのだ、あの子の夕食が安らぎに満ちたものでありますように…
小説家はひとつの物語を書き続けているのだ。詩人は一編の詩を書き続けているのだ。僕はひとつの願いを祈り続けているのだ。ノドが痛い。咳が出る。風邪だ。僕の居場所を探さないでほしい。あっ、これは関係ないか。左の耳のしたのリンパが痛い。住所が「耳のした」だったら素敵だな…