暁と薄暮の時刻に彫刻作品を見つめるとどんな気持ちに捉われるだろうと、blueは考える、想像する。
暁と薄暮がもっとも時の移ろいを実感できる時刻。
彫刻こそが時刻である、と、つぶやいてみる。
blueは、自分の外側にあった「時間」にこの体を浸食されながら、彫刻作品に閉じ込められた別な「時間」が滲み出でくるのを眺め続けるときに湧いてくる感覚を想像し、その感覚でカラダを浸してみる。
やがてはふたつの「時間」に浸されていくわけだが、自分の輪郭を維持し続けることができるだろうか、とblueは考える。
ものみなが柔らかになるまで見つめ続けるということ。
やわらかになったものたちに自分が浸され、濡れていくにまかせるということ。
自分を壊さないためには、三人称で想像すること。
blueの目で見つめること。
blueの手で触れること。
blueの肌で感じること。
移ろいの後の光に溶けてしまわぬように・・・
移ろいの後の闇に飲まれてしまわぬように・・・
