今、読んでいるリチャード・パワーズの『舞踏会へ向かう三人の農夫 』の中で、メキシコの美術家ディエゴ・リベラの「デトロイトの産業」という壁画についての言及がある。
ディエゴ・リベラは今では、映画にもなったフリーダ・カーロ の夫と言った方が分かりやすいかもしれない。
今では、なのか、日本では、なのかは分からないが・・・

先日、自由が丘の古本屋の前を通ったら、ふたりがセットになった薄い画集が店先のワゴンに置いてあった。
問題の壁画も載っていたので、購入した。
今回あらためてディエゴ・リベラの作品を見てみると、確かに力強い。
まあ、ディエゴ・リベラはメキシコを代表する大美術家だったわけだから当たり前なのだろうが・・・

パワーズの作品によると、「デトロイトの産業」は、完成後、地元の人々の強い非難を受け、撤去を求める運動まで起こったらしい。
難を逃れ、今では美術館に展示してあるようだ。

フリーダ・カーロの作品には昔からある一定の肯定的な評価を持っている。
しかし、正直なところ、彼女の一生と対比させて見なければならないような作品が多すぎるように思える。
個人的には一歩距離を置いて見てしまう。
好きではないというより、単純に疲れるのだ。
むろん作品を作家の手を離れた独立した存在として見ることもできる。
しかし、彼女の作品は、人生は、それを許さない感じだ。
正直、非常に疲れる。

今回はしばらくリベラを眺めてみようと思う。