世の中を何に譬へむ朝開き
漕ぎ去にし船の跡なきごとし (沙弥満誓『万葉集』)
空の上から見る航跡は、飛行機雲に似ています。
風の少ない凪いだ日は、長く長く航跡が見えるといいます。
白い波(雲)が見えるのは、もうそこにはいないということ。
「今、瞬間を生きる」ということを思い起こされてくれます。
いにしえ人は、航跡をどのように見たのでしょうか。
丘の上から、見送っていたのかな。
あるいは、現代人が忘れてしまった別な方法で遠くを見ていたのかも。
写真は、2016年の羽田沖。
羽田発の新千歳空港行きの機内から。
本日は、旧暦五月二十二日。宵月。
本日は二十四節気、小暑。
七十二候、蓮始開(はすはじめてひらく)