今回の東京行きの目的は2つ。

1つは、弟が結婚を決めた方の親御さんへの
ご挨拶。

もう1つは、靖国神社参拝。

父方の祖父は太平洋戦争時、満州で
亡くなった・・・ということになっている。

実際は、どうなのかわからない。

もしかしたら、生き延びたけれど
なんらかの事情で日本に帰ってこれなかったのかも
知れない。

けれど、父を筆頭に3人の子どもと
満州から日本に引上げてきた祖母の所へは
(実際は誰のものかわからない)遺品と戦死の通知が
届いた。

妹と弟と母親のため、急いで大人になり
兄・・・というよりは父親の・・・代わりとして
生きてきた父は東京に行くと必ず
靖国神社で昇殿参拝してきた。

それは。

「靖国神社参拝」というよりは
むしろ
「父親に会いに行く」というキモチに近いものであったと思う。

あるが子どもの頃は
「もしかしたら、向こうで生きているかも知れない」
という望みを父はまだ持っていた。

だけれど、自分自身が歳を重ねて
もし、戦死していなくても、寿命で亡くなっているであろう
という月日が流れてからは
父から少し力が抜けた気がする。

歳の離れた弟を若くして亡くし
祖母が亡くなった年齢よりも多くの歳を重ねた
父とおそらく一緒に来るのは
最初で最後になる靖国神社参拝。

それは

秋の終わりの肌寒い1日だった。



Not Love,But AFFECTION