あるは。

福岡で生まれて、福岡で育ちました。

父30歳・母が27歳の時に、2人の初めての子供として生まれました。

 

みなさん。ご存知の通り。

12月1日19:00生まれ。2500gに満たない

小さな小さな赤ちゃんだったそうです。

 

最初に住んでいた家は、海の近くで、会社から帰ってくると

父はよく私を海に連れて行っていたそうなので、

わたしの海好きはこのころにインプットされたのかもしれません。

 

2年半後の6月に弟が生まれます。

それをきっかけに、市営団地にお引越し。

六畳の和室が2部屋に水洗洋式トイレとお風呂と2畳ほどのキッチン。

 

私はここで小学2年生まで過ごすことになり、一番付き合いの長い

幼馴染に出逢うことになります。

 

その私の一番古い記憶・・・

夏でした。

おそらく、弟が生まれて、1ヶ月くらいの頃だと想います。

だから、私が2歳7ヶ月くらいでしょうか。

 

ふと、目を覚ますと、母がいませんでした。

部屋にもベランダにもお風呂にもトイレにもキッチンにも・・・

なんだか急に部屋が広く感じられ、音が全て消えました。

母がいないという恐怖。ひとりぼっちだという寂しさ。

 

はだしで外に出ました。

 

遠くで母の声がしました。

 

声のするほうにいくと、砂場のところで、弟を乗せたベビーカーの

そばに立って、近所のお母さんたちと話している母がいました。

 

それを確認して、私は家に戻りました。

 

部屋はいつもどおりでした。

外でみんなが遊んでいる声がします。

それに混じって母の声も聴こえてくるような気がしました。

蝉の鳴き声も聴こえます。

 

私は、お風呂場まで、這っていって足を洗って、

また、寝ました。

 

モノクロームの景色の中で、鮮やかな色を放っていた、

母の笑顔を私は今でもはっきりと想い出せます。

 

そして、これからも、きっと。

 

夕焼け雲