人はその大部分を皮膚というバリアーで覆っています。唯一「口~気管~肺」と「口~胃~大腸」の消化管のみ、常に外敵に晒されています。故にそれらの免疫は強いものです。
「免疫」とは元々人体にある、細菌やウイルスまたは癌細胞に対しての防御機構です。少し詳しく言います。見方によりますが、2種類に分けられます。
「細胞性免疫」と「液性免疫(抗体産生)」にするのですが、「初期免疫」と「獲得免疫」にする方法もあります。各々説明します。
まず細胞性免疫ですが、多くは最初の外敵の侵入時に、白血球やマクロファージや単球やNK細胞などによる「貪食」です。ファーストデイフェンスともなります。
T細胞は強力な殺菌力です。「異物」だと知らせるのは、樹状細胞です。ですからこれらの優劣が問題となります。普通記憶はありません。
次に二番目になりますが、液性免疫として、B細胞が抗体産生を受け継ぎます。ここでも重要なのは樹状細胞(抗原提示細胞)の能力です。一般に記憶はあります。
こういう風に二段構えで免疫(疫を避ける)は対処しています。初期免疫と獲得免疫も同じように考えるとよいでしょう。
問題としてはワクチンでしょう。これらはコロナ禍でも問題となった、抗原提示能力の弱さです。mRNAワクチンでは度々の接種が必要となります。
常に癌細胞は生まれています。それを異物として処理するのは免疫です。面倒なことに癌細胞は免疫を避けるために、抗原を隠したり、強力なT細胞を弱くする物質(免疫チェックポイント)を分泌します。ある種の癌によく効く免疫チェックポイント阻害薬を知っていますね。やっかいですね。
これらの免疫が狂って自己を外敵とするのが、自己免疫疾患です。膠原病などが有名ですね。