いつも思っていました、いつか「降圧剤」について、まとめてみたいと。理由としては最近の(10年ほど)循環器薬の進歩です。一時期とは随分と異なっているからです。
1 まずカロリー制限 減塩 禁煙などの生活習慣の是正は必須です。
2 利尿剤 昔ほど使われません。2種あり。ループ利尿薬とサイアザイドです。日本人に多い食塩感受性の人には、馬鹿効きです。
3 β拮抗薬 これも昔からあり、沢山あります。どうやら最近は他の使用目的(脈拍管理や心不全)がメインみたい。ISA(内因性交感神経刺激作用)のあるなしやβー受容体の選択制は関係ないみたい。
4 Ca拮抗薬 これも昔からあり。ただし沢山ある中で、一部に禁忌となる使用法があります(心ブロックなど)。長時間作用型(一日一回)の薬は副作用も少なく、使い易いです。開業医のほぼ半数がファーストチョイスにしています。
5 ACE ARBなど 初めて出てきたときには、その効果のシャープさと心不全に対する効果から。一世を風靡しましたが、妊婦や腎機能障害に対する問題から、最近では減ってきて心不全の標準治療の一つに成り下がっているきらいがあります。
6 サクビトール バルサルタン(エンレスト) 最近開発されたので、当然高い。切れ味は抜群です。当初心不全に対する効果も期待されたのですが、臨床試験では入院機会の減少傾向のみとなりました。降圧を厳密に行いたいと思うには良い薬です。
7 SGLT-2阻害薬 初め糖尿病薬として開発された、まったく新しい薬で、マルチファンクションの作用があり(耐糖能や腎機能障害にも良い 勿論早期の高血圧にも良い)、今後の臨床データーが楽しみです。私としてもお勧めの薬です。
8 MRA(ミネラルコルチコイド)アルダクトンAなど、昔からありますね。今では心不全の標準治療の一つになっています。
9 αー遮断薬 カルデナリン ミニプレスなどは昔よく使いました。今では殆ど使いませんね。
10 その他 特殊な場合 例えば妊婦とかにはそれなりの薬があります。
単に降圧剤といっても沢山種類があります。毎日消費するものですから、自分の場合の立ち位置を良く確認しておかないといけませんね。特に高齢者とかAf合併例では、低めの血圧で厳密にコントロールすべきですね。実際せっかく診ても、そこらへんがいいかげんです。