ホタル | 脳卒中(脳幹出血)医師 moonkikicocoのブログ

脳卒中(脳幹出血)医師 moonkikicocoのブログ

約72歳。12年ほど前に脳幹出血で倒れました。合併症はたくさんありますが、何とか生きています。つまらないと思うかもしれませんが、愚痴っぽいブログですが、よろしく。

 幼いころの話ですが、家の近くに川が流れていて(割に大きくて)川辺には水草が生い茂っていてたくさんの水生生物がいました。

 ある夏の夜、一家総出で、うちわを持って、蛍狩りに出かけた事があります。蛍が乱舞していたのを思い出します。今やそういうことはほとんどなく、川そのものがなくなったというより、蛍の生育環境そのものが8、随分と変化したせいですね。例えば餌とか。しかし蛍の乱舞する様は日本の原風景です。都市部にいても郊外の小川に少なくなっているのは寂しいですね。

 

 結局当事者として、従来の教科書的でない後遺症を体験しているので、分析の終わったものを報告します。

 1 まず従来6か月の壁だと言われていたのですが、10年過ぎて感覚障害が、明らかに変わってきている事。

 2 他人では解らない自分しか解らないのですが、「意識と肉体の乖離」みたいな(表現が難しい 仮にdivergence of consciousnessとでも言っておきます)発作が直後より今でも、年に数回(一回当たり20分くらい)ある。多分広範に脳神経がやられているせいだろう。

 3 沢山の能力を失ったが、ごく一部それを補完する動きがある。多分多くの自律神経細胞がやられているせいだろう。

 1,2が特に気になります。転んでもただじゃあ起き上がらない。3はこれはまだ発見という段階ではない。

 私が疑問に思うのは、重症脳卒中の患者さんは多いだろうに、神経内科ではこういう分類が全くなされて無い事です。有意の方是非にお願いします。運動神経(麻痺)にも同じことが言えます。

 「麻痺は100%元に戻らない」という常識があります。では0%? ハードなリハビリをしている施設では、80%?人体にはまだまだ分からな事が多く、先に述べた、「麻痺は100%戻らない」という常識は破棄せざるを得ないですね。

 同じように、同じがんで同じステージで同じ抗癌療法として、同じ抗癌化学療法をしても、ある人は死に、別の人は生存する。何%治るとか、何%の予後だとか、我々はじっと現実を見るだけ。合理的にそれを説明するだけの、技術も知識も持ち合わせてないのです。