ちょっと専門ー3 | 脳卒中(脳幹出血)医師 moonkikicocoのブログ

脳卒中(脳幹出血)医師 moonkikicocoのブログ

約72歳。12年ほど前に脳幹出血で倒れました。合併症はたくさんありますが、何とか生きています。つまらないと思うかもしれませんが、愚痴っぽいブログですが、よろしく。

 今日は虚血性心疾患の話をしよう。基本的な病態は、心筋を栄養する中小の動脈(冠状動脈)に動脈硬化性病変があり、狭かったり詰まったりするため、その先にある心筋が悲鳴を上げて、腐ったり機能不全に陥ったりする事です。狭心症の典型は、狭くなった病変で一定の労作で胸の痛みが生じる病態です(安定狭心症)。しかし初発の狭心症や、症状が次第に憎悪する場合や、発作の時間間隔が次第に狭くなったり、動脈硬化性の病変が無くて、冠動脈の痙攣で起きる場合(安静時狭心症)、心筋梗塞に移行しやすい不安定狭心症と呼びます。診断は現症や心電図 負荷心電図 エコー 血中酵素などでします。治療は大体心筋の酸素消費を抑えたり、冠動脈を広げるお薬を使います。さていよいよ冠動脈が詰まった時、つまり急性心筋梗塞の時、典型例ではものすごい胸痛と色んな合併症が起きます(死ぬ人はこの時が多い)。勿論診断は病歴 心電図や血中酵素で出来ますが、最終的に狭心症を含め、冠動脈造影でつけます。病変の形や場所など色々な場合があります。そのままPCI(経皮的冠動脈形成術)に入ることが多いですが、場合により心外に任せる時もあります。形や場所に加えて、側副血行路や冬眠心筋のあるやなしやなど、非常に複雑であり、すぐに判断するには難しい時があります。バルーン ステント で広げた後は抗血小板薬など2剤を続けます。