ちょっと専門 | 脳卒中(脳幹出血)医師 moonkikicocoのブログ

脳卒中(脳幹出血)医師 moonkikicocoのブログ

約72歳。12年ほど前に脳幹出血で倒れました。合併症はたくさんありますが、何とか生きています。つまらないと思うかもしれませんが、愚痴っぽいブログですが、よろしく。

 そもそも私が大学に戻ったのは、癌の比較的少ない循環器領域で心筋症なるものを研究したかったからです。当時(40年以上前)は、心筋症といえば拡張型心筋症とか肥大型心筋症という病態区分が広く受け入れられていました。私も心筋生検や染色、顕鏡をしていました。ところが最近、医学関連のサイトを見て、再就職してからの二十数年は進歩がなかったものの、倒れたころからの十数年で疾患概念がコロッと変わったようです。。具体的に述べると、従来治療が困難な肥大型心筋症と言われていたものの中に(約30%)、以前無かった心筋アミロイドーシスなるものがあり、治療に関しても新しく遺伝子治療薬が開発されて上梓されているらしい。今後この分野はますます発展していくでしょう。

 考えてみると、心不全を惹起する様々な病態に対して治療の進歩を感じます。それはもう、若いころに比べると、格段の進歩です。古い知識なので、当方医学サイトで日々研鑽しています。

 先日NHKのドキュメンタリーを見ました。どんなものかといえば、ある寒村で(勿論高齢化)22年間、村で一軒しかない診療所で、働いた医者(自身も老々介護で夫人の認知症と向き合っている)の話です。それを見ていて思ったのですが、やっぱり寄り添うに重要なのは、よく相手の話を聴く事ですね。その上で語り掛ける。まず聞き上手でなければ、長い間診療所の医師でいられませんね。